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4話
握られた妖精は何かを察したようだ。
瞳に恐怖の色が滲んだ。
その嫌な予感は、きっと当たっていることだろう。
「今日はこれをしに来たんですよ」
鞄から『妖精駆除剤』を取り出す。
そして巣に向けてそれを一気に噴射した。
白色の霧のようなものが噴き出され――。
「うわあああ! 何だこれえええ!」
「ぎゃあああああ!」
「ぎょほぅわああああああ!」
「うわああ! ぎゃああ! 溶ける、溶けるぅぅぅぅ」
「いやああん! 服がぁ! 身体がぁ! 嫌、嫌、嫌ぁ!」
「とれないっとれないっ、いやぁ、溶けちゃうからやめてぇ! 誰か洗ってえええええ!」
巣にいた妖精が大量に出てきた。
その多くが薬品によって身を溶かされて絶叫している。
「あ……あ……」
手の内にいる妖精は絶望し泣いていた。
「いてえええ! いてえええ!」
「助けてえええ!」
「んぁんはあああああ! いやあ! 死ぬぅ、死ぬうううう!」
私はそう問う。
「貴女の罪、理解できましたか?」
「……う、ぅ、ひっく……う、うう……」
妖精は泣きながら小さく頷く。
「そうですか」
「ゆ……ぅ、ゆ、許、して……」
「遅すぎますが分かっていただけたようで何よりです」
ならもういいわ。
私は妖精を握り潰した。
「ふぅ。……手が汚れちゃった、洗わなくっちゃ」
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