愛する人ができた彼から婚約破棄を告げられました。しかしその後彼の愛する人は亡くなってしまい……。

四季

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前編

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 私には三つ年上の婚約者がいた。

 彼と結ばれ生きてゆくものと、そう思って疑っていなかった――ずっと、それが運命なのだと思っていたのだ。

 だから別の道なんて考えてみたことはなかったし、それが自分の運命なのだからそれでいいと思っていた。

 ――でも、そんなものは幻でしかなかったのかもしれない。

 信じていたもの、運命と思っていたもの、当たり前にやって来ると思っていた未来――すべては確かにそこに在るものではなくて。

 彼は別の女性を愛した。

 私ではなく、他の人を、驚くほど情熱的に。

「俺はドレーヌだけを愛している! だからもうお前とは縁を切る!」

 その日、彼は、いつになく熱い言葉の発し方をしていた。

 もしかしたら愛する女性ドレーヌが隣にいたからかもしれない。
 かっこいいところを見せたかったのかも。

「え……」

 私はただただ驚いた。
 彼の暑苦しさに。

「婚約は、本日をもって破棄とする!!」
「えええー!」
「俺はお前を選ばない、お前みたいなパッとしない女はどうでもいい。もう二度と俺の前に現れるな! 俺はドレーヌと二人だけの世界で生きていきたいのだ!! ……分かったな?」
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