無意味! 魔王を倒す三つの秘宝 〜打ち切り風味〜

四季

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後編

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「やはり僕には姫を助けられない……分かりました」

 嫌になってきた僕はそう言った。ここへ来てからだいぶ時間が経っている。そろそろ帰りたい。
 すると巫女はゆったり頷き、「下手に関わらないのが賢明じゃな」と言って、柔らかく微笑んだ。

「では話はここまでとしよう。もういいな?」
「はい。つまらないことで時間を取らせて、すみませんでした」

 軽く頭を下げる。
 何の収穫もなかったとはいえ、彼女の時間を使ったことは事実だ。無言で去るというのも無礼だろう。

「いやいや、気にするな。謝られることはない。迷える者へのアドバイスも巫女の職務じゃからな」

 そうなのだろうか……。

「では最後に、一つ、魔法の言葉を教えて差し上げよう」
「魔法の言葉、ですか?」
「そう。どんな出来事も、どんな話も、綺麗に片付けられる言葉じゃ」

 なるほど、それは便利そうだ。
 面倒事を綺麗に片付けられる言葉なんてあるとは思えない。だが、もしあったとしたら、何よりも便利に違いないだろう。

「『僕たちの戦いはこれからだ』じゃ。お主も言ってみよ」
「え、それ……?」
「そうじゃ。ほれ! 騙されたと思って、使ってみよ!」

 巫女に凝視された僕は、彼女の圧力に負けて口に出す。

「僕たちの戦いはこれからだ」
「小さい!」
「ぼ、僕たちの戦いはこれからだ!」
「良い! だが、もっとじゃ!」

 そんなわけで、魔王を倒し姫を助けるのは諦めた。
 しかし、この時間が無駄だったとは思わない。というのも、人生において極めて便利な言葉を手に入れたから。
 これからはあらゆる時に魔法の言葉を使おうと思う。

 僕たちの戦いはこれからだ!


 ー完ー
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