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前編

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 ある日のこと、婚約者ブルックリンに呼び出された。

「あのさぁ、お前ってさぁ、だらしないじゃん?」
「はぁ……」
「可愛げもないしさぁ、素直でないしさぁ、みっともないしさぁ。ほーんと音としてゴミだよな」
「そうですか」
「だからさ、婚約破棄するから」

 私は思わず「え」とこぼしてしまう。

「は? 何が『え』だよ。ばっかじゃねぇのか。婚約破棄するって言ってんだ。いいだろ? そのぐらい」

 こうして私は突如婚約破棄された。

 だが、正直「好きなようにしてくれ」という気分だ。

 彼はすぐに悪口ばかり言ってくるから嫌いだった。
 だからべつに婚約破棄となっても構わない。
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