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前編
しおりを挟むその日は突然やって来た。
「お前との婚約さ、破棄するわ」
婚約者レィズン。
薄紫の長くさらりとした髪が特徴的な青年が、関係の終わりを告げてくる。
彼はもう完全に心を決めているようで。
今さら説得などできはしないようだ。
しかも、こちらには何かを主張する権利はないようである。
「そうですか、分かりました」
よいのだろうか?
レィズンが勤めている会社は私の父が管理する大会社の系列会社なのだが。
彼がそこに勤められるよう力を貸したのは私の父だ。
彼が一方的に婚約を破棄なんてするのなら、きっと、父は彼をそこに置いてはおかないだろう。
「本気なのですね?」
「ああ!」
「では、さようなら」
帰り道、特に意味なく空を見上げてみたら、いくつもの色の絵の具を混ぜて水を含めて描かれた絵画のような空だった。
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