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前編
しおりを挟む三人姉妹の真ん中として生まれた私は、三姉妹の中で一番地味だった。そのこともあって、いつも、姉からも妹からも馬鹿にされていた。美しい姉と可愛い妹、二人はいつも人気者。けれども間に挟まれたすべてにおいて平凡な私はお世辞にも人気者とは言えないような状態で。嫌われてはいないにしても、誰からもさほど好かれていなかった。
だがある時姉と妹の間で一人の青年の奪い合いが勃発。
その青年――名はエルジーというが――彼は最初、妹の婚約者として現れた。
良家の子息で事業も立ち上げているような実力者であり、容姿も良い。
そんな理想を絵に描いたような人で。
だからこそ、姉は妹がその人を手に入れることを許せなかったのだろう。
姉はすぐにエルジーに手を出した。
豊満な胸を存分に使って迫り、姉はエルジーとの子を宿した。
それによって彼女は彼と結婚しやすい強力なカードを得たこととなったのだ。
その件によって、妹とエルジーの婚約は破棄となってしまう。
で、エルジーは姉が手に入れることとなった。
――ここまではすべて姉の思い通りとなっていたのだろう。
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