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後編
しおりを挟む「そうですか……残念ですが、分かりました。では、そういうことで、さようなら」
「ああ、さらば」
オルディーノは方向転換して歩き出した――が、刹那、湖から大量の魔物が飛び出してきた。
すっぽんに似た魔物ポッポスンだ。
「うわっ!」
それらは一斉にオルディーノに飛びかかった。
全身に吸い付かれる。
「ぎゃ! わ! おわわ! わ!」
ポッポスンたちに吸い付かれたオルディーノは、その吸い付きの威力に耐え切れず、やがて「ぎゃああああああ」と痛々しい悲鳴を放ち始める。
彼は皮膚を吸い取られ、数分以内に亡くなった。
最初は騒いでいたオルディーノだが、あっという間に静かになってしまった。
ポッポスンの吸引力は凄まじかった。
この時初めて、そのことを思い知った。
その力は時に人をも殺すのだと。
やはり可愛くとも魔物は魔物なのだと。
◆
あれから数年、私は気の合う人と結婚できて幸せになれた。
毎日はとても楽しい。
彼といるとワクワクできる。
こんな日々が長く続けばいいな――と思いつつ、少しずつ未来へと進んでゆくのだ。
◆終わり◆
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