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3話
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それから一年半、私は名誉を取り戻すことに成功した。
レベッカの悪事を複数世に出し、また、私がしたと言われていた悪行のほとんどが彼女の自作自演であったことも証明。
また、それを信じて婚約破棄までしたモルトの思考力のなさも、多くの民の知るところとなった。
「聞いた? モルト王子って馬鹿らしいよ」
「聞いた聞いた! あの話でしょ? 女の嘘を信じて婚約破棄したとか!」
「ばっかだよね~、嘘を信じ込むとか~」
「呆れるわ」
「いるよね、嘘つきを純粋に信じちゃう馬鹿」
モルトは国王の指示により当面謹慎という処分になった。
レベッカは私を虐めたうえ婚約を破棄させようと嘘を並べたという罪によって城から追い出され永久に入国禁止となった。
二人はもう会えない。
いちゃつくことができないどころか、顔を合わせることすら不可能だ。
でも自業自得。
身勝手なことをした、自分たちのことしか考えていなかった、それほど関係のない私を悪質な形で巻き込んだ――彼らにこそ罪があるのだ。
ちなみに私はというと、今、複数の婚約希望が舞い込んできて対応が忙しくなっているところだ。
だが誰かから必要とされるのは嬉しいことだ。
誰を選んだとしても、少なくともモルトよりかは私を愛してくれることだろう。
まだ色々考えなくてはならない。吟味しなくてはならない。それゆえすぐに話を進めるのは難しいけれど。でも徐々にやっていこうと思っている。色々考えて話を進めてゆけば、きっと、より良い人を選択できるはず。
いつかきっと幸せになる。
いつかきっと愛される人になる。
その時を夢みて。
◆終わり◆
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