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前編
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私の婚約者ジャミールは嫌がらせが物凄く好きな人だった。
彼は嫌がらせやいたずらを平然と行う。そして私の反応を見て楽しむ。彼はまるで犯罪者。私が逃れられないことを知りながら、それを敢えて利用するように嫌なことをしてくる。もはや悪魔と言っても不自然ではない。
朝起きたら顔面にイチゴジャムがびっちり塗られている。
私のサラダだけに毒のある芋虫が数匹入っている。
入浴中に使用人を含む大勢の男性を風呂場に入ってきて、それぞれ持っている石鹸で全身を擦られる。
ジャミールの嫌がらせはとにかく悪質だ。
もちろん他にもたくさんある。
そんなジャミールが、ある日、私に言ってきた。
「急で悪いが、婚約破棄させてもらうな」
婚約破棄された女、と、ひそひそ話をされることもあったけれど、私にとっては非常にありがたい婚約破棄だった。だってジャミールのあの嫌がらせから逃れられるのだ。何より嬉しい。たとえ誰かにくすくす笑われたとしても、それでも、彼から逃れられる方が幸せ。
こうして私はジャミールから逃れられた。
彼は嫌がらせやいたずらを平然と行う。そして私の反応を見て楽しむ。彼はまるで犯罪者。私が逃れられないことを知りながら、それを敢えて利用するように嫌なことをしてくる。もはや悪魔と言っても不自然ではない。
朝起きたら顔面にイチゴジャムがびっちり塗られている。
私のサラダだけに毒のある芋虫が数匹入っている。
入浴中に使用人を含む大勢の男性を風呂場に入ってきて、それぞれ持っている石鹸で全身を擦られる。
ジャミールの嫌がらせはとにかく悪質だ。
もちろん他にもたくさんある。
そんなジャミールが、ある日、私に言ってきた。
「急で悪いが、婚約破棄させてもらうな」
婚約破棄された女、と、ひそひそ話をされることもあったけれど、私にとっては非常にありがたい婚約破棄だった。だってジャミールのあの嫌がらせから逃れられるのだ。何より嬉しい。たとえ誰かにくすくす笑われたとしても、それでも、彼から逃れられる方が幸せ。
こうして私はジャミールから逃れられた。
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