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前編

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「まさか君が虐めなんてしていたとはなぁ……驚いたよ。僕は君を優しい女性だと思っていた。でもそれは間違いだったんだね。僕は騙されていたんだね。あぁ、悲しいし、残念だよ」

 婚約者ルートイは悲しそうな顔をする。

「ってことで、婚約破棄させてもらうね」

 どうしてこんなことに……。

 それはあまりに唐突で。
 言葉を見つけられなくて。

 そうしているうちに、彼との関係は終わってしまった。


 ◆


 後日、近所のばばあがルートイに私の悪口を吹き込んでいたことが発覚した。

 そのばばあは前から私に嫌がらせをしてきていた。そのため彼女が私を良く思っていないことは知っていたけれど。でもまさかそこまでするとは。婚約を壊すところまでするなんて。

 とはいえ、これは許せる問題ではない。

 私は権力者の知人が多い父親に相談。
 そしてそのばばあを捕らえ罰を与える作戦が開始される。

 それから数日。
 近所のばばあは捕らえられた。

「どうしてこんなことをするのよ! あなたたち犯罪者だわ! 許さない! くそじじい! 何するのよ!」

 縄にかかった近所のばばあは喚いている。
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