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神の加護をもつ聖女に婚約破棄を告げた彼は……。
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「聖女イベリス! 本日をもって婚約は破棄させてもらう!」
王子アダムスは公の場で迷いなく宣言した。
かくして、神の加護をもつ聖女イベリスと王子アダムスの婚約は破棄されることとなった。
イベリスは喧嘩を売るようなことはしなかった。文句の一つも発さず、彼女は静かに口を去る。何も言わないところが逆に不気味ではあるが、多くの者がそれで終わったと思っていた。
だがそれが間違いだったのだ。
イベリスが去ってから、王子アダムスの周囲ではおかしなことや不幸なことが次々と起こり出した。それも一つや二つではない。毎日のように何かが起こるのだ。
そんなこともあり、アダムスはやがて心を病んだ。
そんなある日。
「ねぇねぇアダムス様ぁ。どうしてうわのそらなのぉ」
「…………」
「ちょっとぉ~、何か返してよぉ~」
「…………」
「もぉ~。……え?」
数秒の静寂。
「……死ん、でる」
来る日も来る日も憂鬱さに襲われ続けていたアダムスは、突然死したのだった。
◆終わり◆
王子アダムスは公の場で迷いなく宣言した。
かくして、神の加護をもつ聖女イベリスと王子アダムスの婚約は破棄されることとなった。
イベリスは喧嘩を売るようなことはしなかった。文句の一つも発さず、彼女は静かに口を去る。何も言わないところが逆に不気味ではあるが、多くの者がそれで終わったと思っていた。
だがそれが間違いだったのだ。
イベリスが去ってから、王子アダムスの周囲ではおかしなことや不幸なことが次々と起こり出した。それも一つや二つではない。毎日のように何かが起こるのだ。
そんなこともあり、アダムスはやがて心を病んだ。
そんなある日。
「ねぇねぇアダムス様ぁ。どうしてうわのそらなのぉ」
「…………」
「ちょっとぉ~、何か返してよぉ~」
「…………」
「もぉ~。……え?」
数秒の静寂。
「……死ん、でる」
来る日も来る日も憂鬱さに襲われ続けていたアダムスは、突然死したのだった。
◆終わり◆
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