機嫌に波のある婚約者が厄介過ぎます……。~急に不機嫌になり婚約破棄!?~

四季

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後編

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「じゃ、はよ帰れや」

 こうして婚約は破棄となってしまったのだった。

 でも……離れられるのなら離れるで良かったのかもしれない。今はそんな風に思う。だってあんな心ないことを言える人なのだ、彼と一緒にいても幸せになんてなれるわけがないだろう? ……そもそも感情のうねりが凄まじい厄介な人だし。そんな人と結婚したら、私はどうなる? 容易く想像できる。私は一生彼の機嫌をとって生きていかなくてはならなくなってしまうだろう。そこに明るい未来なんて……ありはしない。


 ◆


 ルーカスはあの後少しして亡くなった。
 なんでも些細なことで友人と大喧嘩になり殴り合いをしていた最中に転んで頭を強打してしまったということのようだ。

 頭部を打った、それが彼の死因であった。

 あんなに威張っていたのに……驚くくらい呆気ない最期であった。

 で、私はというと、とある出会いから人生が一変した。

 大雨の日に家の近くの川で流されかけていた青年を助けたのだが、その彼が実は異国から旅行でやって来ていた王子であり、彼から感謝されたうえ称賛され。さらにそこから恋が始まっていくこととなった。彼が私を想ってくれるようになっていったのだ。

 そして先日ついに婚約。
 私は彼と共に歩む覚悟を決めた。

 きっと私たちは、これからもどこまでも、光へと歩んでゆけるだろう。


◆終わり◆
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