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後編
しおりを挟むルべストリーツは急に怒り出す。
それだけでもおかしい。
だって、何もないのなら、落ち着いてそう言えば良いだけだろう。
それができないというのは。
黒なのだと思われても仕方ない。
「でも……口づけもするくらいの仲よね?」
「はぁ!? 何だよそれ!! そんなの嘘に決まってんだろ!!」
「証拠もあるのですよ」
「何だと? あるってのなら出せや!」
「分かりました。では、はい。これです、写真」
「ん、ぐっ……!?」
証拠物を提示するとルべストリーツは口を閉じてしまった。
「ということで、婚約破棄するわ」
「なっ、本気か!?」
「もちろんよ」
「ふ、ふざけるな! ふざけたことを言い出すな!」
「もう会わないと言える?」
「は!? 生意気なことを言うな! お前は黙って俺を信じて待っていればいいんだ!」
「いえ無理です。では婚約は破棄ということで」
「そうかよ! あーあーそうか! 分かったよ! なら婚約破棄でいいさ、何ならこっちから破棄してやる! お前との婚約なんぞ、破棄してやる!」
ルべストリーツは逆ギレし関係を壊すような言葉を発してきた。
こうして関係は解消することとなった。
その後私はメディアにこの件に関して情報提供した。すると新聞に大きくこの話が掲載されて。それによってルべストリーツとエトリッツは批判の的となり、決まっていた仕事もそのほとんどを失うこととなったようだ。
彼らが破滅したのを見届けて、私は領地持ちの家の子息と結婚。
今は穏やかな幸福の中に生きることができている。
特別な刺激はなくても、それでも、ほっとできるような空気の中にだって幸せというものは存在するものだ。
◆終わり◆
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