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1話
しおりを挟む私には婚約者がいる。
さらりとした赤毛が特徴的な彼の名はオーベリー。
しかしその関係は冷えきっている。
前に一度オーベリーが浮気をして、その時かなり揉めた。その後彼がお金を支払うことで一旦解決はしたのだが、それ以降彼は私に対して冷たい態度で接するようになってしまった。
非があるのにどうして私が冷たくされなくちゃならないの!? ――それはともかく。
結婚する予定なのにいつまでもこんなではさすがにまずいだろう。
そう考えた私は、関係改善へと踏み出した。
どちらかが動かなくてはきっといつまでもこのままになってしまう。でも向こうからどうにかしようと動き出す可能性は皆無だ。ならばこちらが動くしかあるまい。
悪いことは何もしていない私が努力するのは悔しさもあるが、仕方ない。
そう考え、心を決めて、関係改善へと動き出したのだが――。
「オーベリー、今度の週末どこか一緒に行かない?」
「行かない」
「え」
「何なんだ急に気持ち悪い」
――彼の方はというと関係をどうにかしようという考えは一切ないようで。
「やめてくれ、そういうの」
我が心を突き刺すような言葉を投げつけてくるだけ。
「もうそういう段階じゃないだろ」
「ねえちょっと待ってよ。どうしてそんな冷たいの? 私たちこれから結婚するのよ、夫婦になるの。なのにいつまでこんな感じを続けるつもり?」
そこまで言うと。
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