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前編
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私にはオールベストという婚約者がいたのだけれど。
「お姉さまには惜しいお方よね! ってことで、オールベスト様は私が貰うから!」
妹イレネがある日突然そんなことを言ってきた。
しかもオールベスト本人を隣に置いている。
「すまない。でも俺は本心に嘘をついては生きられない。ということで、君との婚約は破棄とさせてもらう。そして、イレネと改めて婚約する」
「え……」
「君よりイレネの方がずっと可愛いし魅力的だ。初めて喋った晩に深い仲になったほど、だよ。君の妹さんはそれほどに魅力的だったんだ」
婚約者を妹に奪われる。
複雑な心境だ。
赤の他人に奪われるのも辛いだろうけれど、妹に奪われるというのはそれとはまた違ったもやもや感がある。
「そういうことだから! 貰うわね、お姉さま!」
「悪いな、じゃあこれで」
二人は腕組みしながら去っていった。
◆
そんな二人の結婚式には私も招かれた。
もはや嫌みだろう……。
とはいえ花嫁の姉が参加しないわけにはいかない。
たとえ奪われた側だとしても。
そこで私は思いついた。
結婚式にて真実を暴露しようと。
そうして私は準備を進めていく。
◆
結婚式当日、会場には人々が集まり、場は既に熱気に包まれている。
無理もない。
事情を知らない人たちからすれば最高にめでたい日なのだから。
そこで私は暴露した。
「花嫁イレネは、私の婚約者を奪い取ったのです」
会場に広がる何とも言えない空気。
「奪い取られた日の会話の記録、録音が、ここにあります。今からここで流します。皆さん、この祝いの場にて、新郎新婦の言葉をお聞きください」
「お姉さまには惜しいお方よね! ってことで、オールベスト様は私が貰うから!」
妹イレネがある日突然そんなことを言ってきた。
しかもオールベスト本人を隣に置いている。
「すまない。でも俺は本心に嘘をついては生きられない。ということで、君との婚約は破棄とさせてもらう。そして、イレネと改めて婚約する」
「え……」
「君よりイレネの方がずっと可愛いし魅力的だ。初めて喋った晩に深い仲になったほど、だよ。君の妹さんはそれほどに魅力的だったんだ」
婚約者を妹に奪われる。
複雑な心境だ。
赤の他人に奪われるのも辛いだろうけれど、妹に奪われるというのはそれとはまた違ったもやもや感がある。
「そういうことだから! 貰うわね、お姉さま!」
「悪いな、じゃあこれで」
二人は腕組みしながら去っていった。
◆
そんな二人の結婚式には私も招かれた。
もはや嫌みだろう……。
とはいえ花嫁の姉が参加しないわけにはいかない。
たとえ奪われた側だとしても。
そこで私は思いついた。
結婚式にて真実を暴露しようと。
そうして私は準備を進めていく。
◆
結婚式当日、会場には人々が集まり、場は既に熱気に包まれている。
無理もない。
事情を知らない人たちからすれば最高にめでたい日なのだから。
そこで私は暴露した。
「花嫁イレネは、私の婚約者を奪い取ったのです」
会場に広がる何とも言えない空気。
「奪い取られた日の会話の記録、録音が、ここにあります。今からここで流します。皆さん、この祝いの場にて、新郎新婦の言葉をお聞きください」
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