上 下
3 / 3

3話「幸せは続く」

しおりを挟む
 やがて秋が来る。
 空気が徐々に冷えてくる。

 冬が迫るにつれて花は減ってゆくけれど、オプストフとの関係は良いもののまま。

「お茶会できるなんて嬉しいよ」
「私もです」
「ん……あ、このお茶美味しいね!」
「気に入っていただけたなら嬉しいです、私も好きでよく飲んでいるんですよ」

 最近はこうして二人でお茶を飲むのがブームだ。

「今日は実はクッキーもあります」
「クッキー?」
「ドゥングリのクッキーです」
「おお!」
「食べます? 二色あるんですよ」
「ほ・し・い」

 そして寒い冬。
 木々は枝だけになってしまった。

 私たちはもうすぐ正式に結婚する。

 それからしばらく期間があって、私とオプストフは正式に夫婦となった。

「これからもよろしく」
「よろしくお願いしますね」
「ネーベラさん、またドゥングリクッキーの売場教えてね」
「ええっ。今それを言いますか……」

 こうして私たちは結ばれた。

 これからもきっと穏やかに生きてゆけるだろう。
 今は迷いなくそう信じている。


 ◆


 そういえば最近になって、母親から、ダブに関する話を聞いた。

 彼はあの後もあの女性と仲良くしていたそうだが、いざプロポーズすると厳しく拒否されてしまったそうだ。また、酷い言葉まで投げられてしまったそうで、それ以来女性不信になってしまったらしい。

 で、彼は今も一人で生きているとのことだ。

 また、友人と会うたびに「女性なんて全員クズだ」とか「女性なんかみんな嘘つきだ」とか殺伐とした空気で独り言を吐き続けたため、同性の友人さえいなくなってしまったのだとか。

 もっとも、幸せになれた私には関係ないことだけれど。


◆終わり◆
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...