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後編
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数年後、私は、ちょっとした出会いをきっかけに王子に惚れられて、彼と結婚することになった。
王子との結婚。それは誰も想像していなかったまさかの展開で。この件を明かした時には親戚にもかなり驚かれた。父方の伯父などは驚きのあまり転倒し危うく負傷するところだったくらいだ。
かつてのニックとの婚約は悲しい終わりを迎えてしまって。
けれども運良く新たな縁を得て。
私は飛躍してゆく、どこまでも広がる空のような広い世界へと。
◆
結婚から今日で三年。
私は今も王子の妻として生きている。
王子の妻という位に就いてからは慣れないこともたくさんあったしそれゆえの苦労もあった。けれども彼はいつだって私の隣にいてくれた。そして、温かく接し、どんな時も共に歩いてくれた。私が危ない目に遭いそうになった時にはいつだって身を挺して守ってくれた。
彼がいたからこそ、今の私がある。
私は魔力は持たない。
けれどもここでは一人の人間として受け入れてもらえる。
魔力がないだけで悪く言われることはない。
だから、ここで生きてゆくのは、悪いことだとは思わないのだ。
王子の隣で歩く。
たとえ道が険しくても。
それでも行く。
前だけを見据え、強く、足を進める。
手を取り合って行く未来にはきっと――光も、希望も、存在していることだろう。
ちなみにフィオニースは、あの後『無魔力保持者の人権を一部だけとする会』を発足し活動を続けていたそうだが、その活動内容が段々過激化していったことで次第に一部の無魔力保持者から目をつけられるようになっていったそうで――ある時、集会での挨拶中に刃物を持った中年男性に襲われて死亡したそうだ。
そして、息子ニックは、母親の活動を知る者から相手してもらえなくなったためになかなか結婚できないという目に遭うこととなってしまったようだ。
ニックは今は療養中ということで別荘に行っているそうだが、かなり情緒不安定であり、この時代において当たり前とされるような生活はできないような状態となってしまっているらしい。
◆終わり◆
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