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後編
しおりを挟むパトレットとの縁が切れてしまったことは実に残念だけれど、でも、今はもうそれに縋りつこうとは思わない。だってもう終わったこと過ぎたことだ。どうあがいても今さら楽しかった頃には戻れないのだから、終わった関係は終わったものとして過去の記憶に入れておく外ないのだ。
ちなみにパトレットはというと、その後少しして「婚約者の嘘の悪口を言いふらしていたらしい」という噂が立ったことで友人を大きく減らすこととなったようだ。で、一人ぼっちになってしまって。寂しく家の中にいることしかできない状況となってしまい、徐々に心を病み、同居している親とは喧嘩ばかりになっていったそう。お世辞にも良いとは言えないような状況に彼は追い込まれていったみたいだ。
ま、それも彼の行いが招いたものでしかないのだが。
一方私はというと、婚約破棄から数年が経った頃にあるパーティーにて気の合う男性と出会えて結婚した。
両親が洗濯屋を営んでいるという色々忙しい環境で育った彼だが、対面してみるととても品のある人で、一緒にいるだけでも穏やかな気持ちになれるような優しさも感じさせてくれる人である。
そうそう、ちなみに親の洗濯屋はというと、一応弟が継ぐ予定らしい。
◆終わり◆
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