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ある雨降りの日、婚約破棄されました。

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 ある雨降りの日。
 私は婚約者フォーリネンに呼び出された。

「唐突なのは悪いが、婚約破棄させてもらう」

 告げられたのは、心ない言葉。

「待ってください。いきなり過ぎます」
「知るか。さっさと出ていけ」
「話し合わせてください」
「うるさい! 出ていけ!」
「……はい」

 話にならないので、私は彼の前から去った。


 ◆


 あれから数年が経ち、私は今結婚している。
 時計屋を代々営んでいる家の息子と夫婦となっている。

 今はとても平和だ。

 毎日は充実にしていて楽しい。

 そういえば。
 フォーリネンはあの後タンスの角で足の小指を打って怪我を、それが原因となって亡くなってしまったそうだ。


◆終わり◆
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