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後編
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◆
だが、婚約破棄直後、事が動いた。
この国の最高神官が『白髪の娘を傍におかねば国が滅ぶ』というお告げを受けたのである。
それによって国王は白髪の娘を王子の妻とすることを決定。
早速探し始め、私が見つかった。
「この国のため、我が息子の妻となってくれないかね」
城へ呼び出された私は国王からいきなりそのようなことを言われる。
その後王子とも直接会うことになって。
王子は感じの良い人だったので、私は、頼みを受け入れることにした。
こうして王子と結ばれた私は幸せになれたのだが、後に聞いた噂によればオーレブとその母親はあの後酷い目に遭ったようだった。
オーレブは、私に婚約破棄を告げたあの日の晩に腕が増える奇病を発症し医師の治療を受けるも一向に改善せず、絶望して屋敷の三階から身を投げ、生を終えたそうだ。
で、オーレブの母親は、息子を失った悲しみによって壊れてしまって。二十四時間ずっとまともに眠れない状態となってしまい、さらに、一週間ほど経ってからは延々と踊り続けてしまう謎の病を発症。それによって町の人たちから「悪魔でも憑いたのだろう」と言われ、最終的には町の安全のためにと火の中に入れられて燃やされたそうだ。
もっとも、二人のことなど今はもうどうでもいいことだ。
私は城にいる。
彼らがいたあの町へ戻ることはない。
◆終わり◆
だが、婚約破棄直後、事が動いた。
この国の最高神官が『白髪の娘を傍におかねば国が滅ぶ』というお告げを受けたのである。
それによって国王は白髪の娘を王子の妻とすることを決定。
早速探し始め、私が見つかった。
「この国のため、我が息子の妻となってくれないかね」
城へ呼び出された私は国王からいきなりそのようなことを言われる。
その後王子とも直接会うことになって。
王子は感じの良い人だったので、私は、頼みを受け入れることにした。
こうして王子と結ばれた私は幸せになれたのだが、後に聞いた噂によればオーレブとその母親はあの後酷い目に遭ったようだった。
オーレブは、私に婚約破棄を告げたあの日の晩に腕が増える奇病を発症し医師の治療を受けるも一向に改善せず、絶望して屋敷の三階から身を投げ、生を終えたそうだ。
で、オーレブの母親は、息子を失った悲しみによって壊れてしまって。二十四時間ずっとまともに眠れない状態となってしまい、さらに、一週間ほど経ってからは延々と踊り続けてしまう謎の病を発症。それによって町の人たちから「悪魔でも憑いたのだろう」と言われ、最終的には町の安全のためにと火の中に入れられて燃やされたそうだ。
もっとも、二人のことなど今はもうどうでもいいことだ。
私は城にいる。
彼らがいたあの町へ戻ることはない。
◆終わり◆
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