婚約破棄された妹は荒れていますが、私には何の関係もないことです。~ざまぁと思いつつ私は勝手に幸せになります~

四季

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2話


「お父様も! そう思うでしょう!? ルロースはクズ!!」
「あ、ああ、そうだな。お前のような素晴らしい女性を自ら手放すなど、論外だな。ああ、父さんもそう思うよ」
「だったらルロースにはっきり言ってやってきて!」
「い、いやぁ、それはちょっと……無理、というか……」
「はぁ!? このあたしのお願いを無視するっていうの!?」
「いや、その、無視というわけでは……」
「あんたは父なのに可愛い娘の望みも叶えられないってこと!? だったらお父様もクズだわ! あんな男の味方をするなんて!!」

 マリリと父のやり取りを聞いていたら「ルロースさんは運が良いな」と思った。

 なぜって、早くにマリリの本性に気づけたから。

 普通はそういう黒い部分は結婚してから露わになりそうなものなのだが、それに早く気づけたからこそ彼は早くマリリを切り捨てたのだろう。

 結婚してからだったら婚約破棄程度の話では済まなかった。離婚、となれば、ハードルがかなり高い。

「まぁいいわ! お母様は美味しいお茶を淹れてちょうだい!」
「ええ、分かったわ」

 マリリは好き放題威張っている。

 でもこれはずっと前からのことなのだ。
 今に始まったことではない。

「お父様はルロースにはっきり言ってやって! 屑、って!」
「お、おおう……それは、ちょっと……」
「うるさい! はっきり言って!」
「また……いつか、な」
「何ですって!? いつか、ですって!? それ、絶対言わないやつじゃないの!! 分かるわよそのくらい!!」
「いや、いつかは言う」
「本当なんでしょうね!?」
「あ、ああ、本当だ、もちろん」

 それから少しして、私にはある貴族の青年から婚約希望が届いた。

 そして私は彼のところへ行くことにした。
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