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後編
しおりを挟む――その日以降彼は災難にやたらと見舞われるようになったようで。
まず婚約破棄した日の次の日にラボスが勤めていた会社の社長とその一家が謎の死を遂げたそう。で、それによって会社は急激に勢いを失い、数週間で潰れてしまった。そうしてラボスは数週間で失職してしまうこととなる。
さらに、ちょうどそのタイミングで妹が謎の病を発症し隔離となってしまったらしく、入院代がかなりかかることとなってしまったのだとか。
そして、妹の介護に疲れた母親はある夜体調を崩して急死。
そのショックによって父親もかなり弱ってしまい、酷いめまいを訴えて仕事ができなくなってしまったのだそう。
そしてある日のこと、ラボスは一人家にいたそうなのだが、なぜか急に部屋の背の高い棚が倒れてきて今度は彼が負傷したそうだ。
ラボス一家は既に色々な意味でボロボロになっている。
また、ラボスの妹が可愛がっていたペットのねずみも、世話ができなくなったために亡くなってしまったそうだ。
一方私はというと、一時期とある屋敷で働いていたのだが、そこで働いていた時に屋敷に出入りしていた資産家の青年に見初められた。そして彼と結婚。今は仕事は辞め、彼と共に一つの家で暮らしている。
彼には姉がいて時折遊びに来るのだが、とても良い人で、私のこともまるで実の妹であるかのように可愛がってくれている。
良い人たちと巡り会えたことに、その運命に、今はただひたすらに感謝したい。
◆終わり◆
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