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後編
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◆
国防軍が誇る魔法使いとなった私は、このたび、『国を護る聖女』に認定された。
そして今日式典がある。
「国王の名において、お主を『国を護る聖女』と認定する」
「ありがとうございます」
両親、妹、親戚、深い仲の友人。
皆、私の晴れ姿を見るため、式典に参加してくれた。
「これからも我が国のために戦ってくれ」
「はい、もちろんです」
この認定を受けた者は、国から、原則一生、生活の保証を受けることができる。そういう事情もあって、この認定を受けたい女性というのは少なくない。私の場合は違ったが、そのために国防軍入りする女性もいると聞いた。でも、多くの者が、認定されずに終わっていくのだ。
そういう意味では、私は幸運だったのかもしれない。
◆
あれから数年、私は今も『国を護る聖女』として魔法を使い続けている。
毎日は忙しい。が、苦労ばかりではない。この魔法の才能を国のために使えるということが嬉しいし、時折ファンに会った時に温かな声をかけてもらえることも励みになる。一部の悪く言ってくる者たちは無視だ。
そうそう、元婚約者のケインだが、彼は先日逮捕された。
彼は私を批判する組織を立ち上げて活動していた。だがその批判というのがあまりに過激で。最初はまだましだったのだけれど、言葉で批判するという域を越えたようなことまでするようになってきたことで国に目をつけられた。で、つい先日、法に触れるようなことをやらかしたため、代表である彼が捕まったのだ。
生きがいが他者を傷つけることだけだなんて……気の毒な人だ。
◆終わり◆
国防軍が誇る魔法使いとなった私は、このたび、『国を護る聖女』に認定された。
そして今日式典がある。
「国王の名において、お主を『国を護る聖女』と認定する」
「ありがとうございます」
両親、妹、親戚、深い仲の友人。
皆、私の晴れ姿を見るため、式典に参加してくれた。
「これからも我が国のために戦ってくれ」
「はい、もちろんです」
この認定を受けた者は、国から、原則一生、生活の保証を受けることができる。そういう事情もあって、この認定を受けたい女性というのは少なくない。私の場合は違ったが、そのために国防軍入りする女性もいると聞いた。でも、多くの者が、認定されずに終わっていくのだ。
そういう意味では、私は幸運だったのかもしれない。
◆
あれから数年、私は今も『国を護る聖女』として魔法を使い続けている。
毎日は忙しい。が、苦労ばかりではない。この魔法の才能を国のために使えるということが嬉しいし、時折ファンに会った時に温かな声をかけてもらえることも励みになる。一部の悪く言ってくる者たちは無視だ。
そうそう、元婚約者のケインだが、彼は先日逮捕された。
彼は私を批判する組織を立ち上げて活動していた。だがその批判というのがあまりに過激で。最初はまだましだったのだけれど、言葉で批判するという域を越えたようなことまでするようになってきたことで国に目をつけられた。で、つい先日、法に触れるようなことをやらかしたため、代表である彼が捕まったのだ。
生きがいが他者を傷つけることだけだなんて……気の毒な人だ。
◆終わり◆
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国を守る聖女って、名誉かもしれないが自分の自由がなくて大変よ
感想ありがとうございます!
そうですよね!
責任重大です。