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婚約破棄なんて怖くない!〜何とでも言えばいいよという気持ちです〜

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「本日をもって婚約破棄させていただく」

 婚約者ダイアンからそう告げられたのは、ある夏の日のことだった。

「お前はパッとしないし知能もまぁまぁで高くないし良いところがない。よって、共に生きていくのは不可能だと判断した。だから婚約破棄させてもらう」

 唐突過ぎる……。

「そうですか、分かりました。ではそういうことにしましょう」
「あぁ、永遠にお別れとしよう」

 こうして私たちの婚約は破棄された。

「まったく、時間の無駄だったな。お前みたいな女に人生の時間を奪われてがっくりだよ。もう少しはましかと思っていたのだが」

 吐き捨てるダイアン。

 でも辛くない。
 何とでも言っていればいい。

 その後私は知人の紹介で知り合った時計屋の息子と結婚。
 幸せに暮らした。

 一方ダイアンはというと、あの後奇病を患い亡くなったそうだ。


◆終わり◆
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