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後編
しおりを挟む「待ってくれ! 頼む! 話を――」
「聞く必要はないわ」
「せ、せっ、せ、説明するからッ! だからッ! 頼むお願いお願いしますどうか聞いてください話を聞いてくださいお願いしますこの通り土下座しますからッ!」
彼は飛び上がるような勢いでこちらへ迫ってきて地面に這いつくばるけれど。
「話すことなどないわ」
私はそれだけ言って、その場から離れた。
◆
あの後アドフルと女性は喧嘩になり破局したそうだ。
何でも私のことで揉めたらしい。
アドフルは「お前のせいで婚約破棄された!」と女性を責め、それに反発した女性は言い返し――そうやって喧嘩になっていってしまったそうで。
最終的には殴り合い噛み合うような喧嘩にまで発展してしまったと聞いている。
また、その後もアドフルは幸せにはなれなかったようだ。
浮気をして婚約破棄されたという情報がまとわりつくこととなってしまったアドフルに近寄っていく女性はいなかったのである。
そして、その果てに、彼はすべてを悲観してしまい死を選んでしまったそうだ。
◆
アドフルと離れてから数年、私は庭から金塊を大量に掘り起こすことに成功して大金持ちになることができた。
当時私は少し暇になったこともあって趣味として庭に畑を作っており、その最中に起きた幸運であった。
自分が所有する土地から金塊が出てくるなんて嘘みたいな話だろう?
私自身もそう思う。
実際最初は信じられなくて何かの間違いだろうと思った。
でもそれは現実だった。
これからは裕福に生きてゆけそうだ。
未来は明るい。
◆終わり◆
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