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後編
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――私たちは転生した。
けれども前とはまったくもって違う環境にお互い生まれた。
私は王女だった。
それも国王の長女、第一王女。
おかげで、さほど苦労しなかった。
やりたいことをのびのびとできたし、経済的に困ることもなく、多少自由の制限もあるがある程度好きなことを好きなようにはできたのだ。
当然、嫌なことだってあったけれど。
それでも日々は楽しかった。
そして十九の春、結婚。
相手は歴史ある宗教施設を所有している家の子息である青年だった。
彼と結ばれた私は幸せになれた。
一方アルスはというと、今回は貧民の家に生まれ、そのことを周りからことあるごとに指摘されながら生きたようだ。
欲しいものは手に入らず、やりたいこともできず、生きてゆくことに精一杯だったようだ。
もちろん、貧しいことは罪ではない。
けれどもアルスに関しては、ある意味ばちが当たったとも言えるだろう。
己の望みのために婚約者を切り捨てさらには殺めた。
前世の彼はそれだ。
そんな人が幸せの海に生まれられるはずもない。
きっと、定めだったのだろう。
私はいずれこの国を治めることとなる――そこにはたくさんの苦難が待っているとは思う。
国を、人々を、治める。
それは簡単なことではない。
ただ、それでも、私は一つずつ山を谷を乗り越えていこうと思っている。
愛する夫と共に歩む道。
そこにはきっと光も射すはず。
私は迷わない。
ひたすらに、突き進む。
◆終わり◆
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