40 / 207
episode.39 かなり早い朝食
しおりを挟む
翌朝、まだ早い時間に、デスタンがやって来た。
「……え、デスタンさん!?」
ノックに気づき扉を開けたところ、彼が堂々と立っていたため、かなり驚いた。
「少し失礼します」
しかも、ただやって来ていただけではない。深さのある皿を乗せたお盆を持っている。
この時間帯に彼が家にいるというだけでも珍しいことなのに、皿を持って訪ねてくるなんて、驚きでしかない。
「こんな朝早くから……何か用なの?」
そう尋ねると、彼は、すたすたと歩きつつ「王子の朝食です」と答えた。
まだベッドの中で寝惚けていたリゴールは、デスタンが部屋に入ってきたことに気づくと、あくびをしながら上半身を起こす。
「デスタン」
「おはようございます、王子。食事をお持ちしました」
「朝食ですか? ……こんな早くに?」
何とか体を起こしはしたリゴールだが、眠気はまだ吹き飛ばせていないらしく、手の甲で目元を擦っている。
「デスタン、貴方、少し早すぎやしませんか……?」
「そうでしょうか」
「こんな早朝から食事なんて……」
珍しくぶつくさ言うリゴール。
しかしデスタンは眉一つ動かさない。
「食べられるなら食べて下さい」
デスタンはお盆をテーブルに起き、真顔のまま淡々と放つ。
「食べられないなら食べなくて構いません。が、その場合は朝食は抜きです」
さらりと言われたリゴールは、目を大きく見開く。
「え!? そ、それは困ってしまいます!!」
「では食べていただけますか」
「はっ、はいっ! もちろん! い、い、いただきます!」
リゴールは慌てて掛け布団を放り出すと、勢いよくベッドから立ち上がる。そしてテーブルに向かって駆け出す。だが、つい先ほどまで寝惚けていたというのもあってか、足がふらついている。不安定で、時々、足と足が絡みそうになっていた。
何とかテーブルにまでたどり着いたリゴールは、皿を見下ろし、静かな声で発する。
「これは……スープですか?」
それに対し「はい」と答えるデスタン。
「スープァンという、この辺りでは有名な料理だそうです。何でも、スープに浸けることでパンを柔らかくして食べやすくした、病人向けの料理だとか」
そんなものがあるのか、と思う。
私はリゴールたちと違って、ずっとこの世界で暮らしてきた。けれど、スープァンなんて料理は知らない。食べたことはないし、聞いたことさえなかった。
「なるほど、そういう料理なのですね。……しかしデスタン。なぜ病人向けの料理をわたくしに食べさせるのです?」
リゴールは椅子に座り、スプーンを握っている。ぶつくさ言っていたわりには、食べる気満々のようだ。
「事情を話したところ、ミセが勝手に作って渡してきましたので」
「勝手に!?」
「はい。勝手に、です」
「そうでしたか……では早速いただきますね」
私はリゴールに少し近づき、さりげなく皿の中を覗いてみる。
赤茶色をした半透明のスープに、刻んだネギと丸い塊が浮かんでいた。丸い塊は、恐らく、千切ったパンなのだろう。
皿を見ながらそんなことを考えていると、唐突にリゴールが振り返る。
「どうかなさいましたか? エアリ」
いきなり声をかけられたものだから、すぐに言葉を返すことはできなかった。
「……あ。もしかして、エアリもお腹が空いているのですか?」
「え」
「あるいは、この料理が好物なのですか?」
「えぇ!?」
何やら誤解されている気が。
「違うわ。ただ、少し気になって……それで、見ていただけよ」
誤解されたままになっては困るので、私は、取り敢えずそう返しておいた。
するとリゴールは笑顔になる。
「なるほど! そうでしたか!」
理解してくれたようだ。
良かった。
その直後、リゴールはスプーンでスープァンのスープ部分をすくい、私の方へ差し出してきた。
「一口、食べられますか?」
「えっ」
「ご安心下さい。わたくしはまだ口をつけておりません。ですから、不潔ではありませんよ」
差し出されたのが意外だっただけで、べつにそこを気にしていたわけではないのだが。
「じゃあ、一口だけいただこうかしら」
「はい! どうぞ」
唇がリゴールの持つスプーンに触れかけた——刹那。
「お待ち下さい!」
デスタンが発した。
その声に驚き、私は口を開くのを止める。
「……何ですか?」
眉間に戸惑いの色を浮かべつつ尋ねるリゴール。
「彼女は良いかもしれませんが、王子が後で彼女と同じスプーンでお食べになるというところは問題です!」
デスタンは鋭く放つ。
それに対し、リゴールは素早く返す。
「そのような言い方は止めなさい、デスタン。エアリは不潔な生き物ではありませんよ!」
リゴールはスプーンを私へ差し出したまま、不満げに頬を膨らませている。
「彼女が不潔だと言っているわけではありません。ただ、他人とのスプーンの共用は良くないと、そう言っているだけのことです」
デスタンは淡々とそう言い返すが、リゴールは黙らない。
「それは不潔と言っているも同然です!」
「いえ。そのような意味では言っておりません」
「そう聞こえますよ!」
「そう聞こえたとしても、そのような意味で言ってはいません」
こんな時に限って、リゴールもデスタンも譲らない。二人とも、本当はお互いのことを大切に思っているのだろうに。
「しかしデスタン! 本人の前でそのようなことを言うのは、不快感を与えますよ!」
「そうでしょうか。事実を言ったまでですが」
「例え事実であったとしても、言って良いことと悪いことがあるのですよ!」
私のことがきっかけであったはずなのに、私が口を挟む隙は少しもない。
「理解できません」
「なら、理解しなくて良いので、今覚えて下さい!」
「……承知しました」
ついにデスタンが引いた。
すると、リゴールは余裕の笑みを浮かべる。
「そうです。分かれば良いのです」
勝ち誇ったような顔をしながらスプーンを差し出してくるリゴール。だが私は、今さら食べさせてもらう気にもなれず、「ありがとう。でも、やっぱりいいわ」と言っておいた。すると彼は、眉をひそめつつ、残念そうに「そうですか」と言っていた。
「ところでエアリ」
「何?」
「その……エアリのお母様の屋敷へ移動するという件についてなのですが」
そういえば。
そんな話もあった。
「わたくしは、その……賛成です」
眉を寄せ、若干上目遣いで、言いづらそうにしながらもリゴールは放つ。
「本当!?」
彼なら賛成してくれるだろうと予想してはいたけれど、この世に絶対なんてものはないからと、あまり期待しないように心がけていた。しかし、今のリゴールの言葉を聞けば、彼は確かに賛成してくれているのだと、理解することができる。本人が言ったのだから、間違いということはないはず。つまり、もう喜んで良いということだ。
「……はい」
リゴールは頷く。
それを見たデスタンは、困惑しているような顔をしていた。
「ただ、一つだけ聞かせていただいても問題ありませんか?」
「えぇ。良いわよ」
「……そこには、お父様もいらっしゃるのですよね? その……怒られたりはしないでしょうか」
「……え、デスタンさん!?」
ノックに気づき扉を開けたところ、彼が堂々と立っていたため、かなり驚いた。
「少し失礼します」
しかも、ただやって来ていただけではない。深さのある皿を乗せたお盆を持っている。
この時間帯に彼が家にいるというだけでも珍しいことなのに、皿を持って訪ねてくるなんて、驚きでしかない。
「こんな朝早くから……何か用なの?」
そう尋ねると、彼は、すたすたと歩きつつ「王子の朝食です」と答えた。
まだベッドの中で寝惚けていたリゴールは、デスタンが部屋に入ってきたことに気づくと、あくびをしながら上半身を起こす。
「デスタン」
「おはようございます、王子。食事をお持ちしました」
「朝食ですか? ……こんな早くに?」
何とか体を起こしはしたリゴールだが、眠気はまだ吹き飛ばせていないらしく、手の甲で目元を擦っている。
「デスタン、貴方、少し早すぎやしませんか……?」
「そうでしょうか」
「こんな早朝から食事なんて……」
珍しくぶつくさ言うリゴール。
しかしデスタンは眉一つ動かさない。
「食べられるなら食べて下さい」
デスタンはお盆をテーブルに起き、真顔のまま淡々と放つ。
「食べられないなら食べなくて構いません。が、その場合は朝食は抜きです」
さらりと言われたリゴールは、目を大きく見開く。
「え!? そ、それは困ってしまいます!!」
「では食べていただけますか」
「はっ、はいっ! もちろん! い、い、いただきます!」
リゴールは慌てて掛け布団を放り出すと、勢いよくベッドから立ち上がる。そしてテーブルに向かって駆け出す。だが、つい先ほどまで寝惚けていたというのもあってか、足がふらついている。不安定で、時々、足と足が絡みそうになっていた。
何とかテーブルにまでたどり着いたリゴールは、皿を見下ろし、静かな声で発する。
「これは……スープですか?」
それに対し「はい」と答えるデスタン。
「スープァンという、この辺りでは有名な料理だそうです。何でも、スープに浸けることでパンを柔らかくして食べやすくした、病人向けの料理だとか」
そんなものがあるのか、と思う。
私はリゴールたちと違って、ずっとこの世界で暮らしてきた。けれど、スープァンなんて料理は知らない。食べたことはないし、聞いたことさえなかった。
「なるほど、そういう料理なのですね。……しかしデスタン。なぜ病人向けの料理をわたくしに食べさせるのです?」
リゴールは椅子に座り、スプーンを握っている。ぶつくさ言っていたわりには、食べる気満々のようだ。
「事情を話したところ、ミセが勝手に作って渡してきましたので」
「勝手に!?」
「はい。勝手に、です」
「そうでしたか……では早速いただきますね」
私はリゴールに少し近づき、さりげなく皿の中を覗いてみる。
赤茶色をした半透明のスープに、刻んだネギと丸い塊が浮かんでいた。丸い塊は、恐らく、千切ったパンなのだろう。
皿を見ながらそんなことを考えていると、唐突にリゴールが振り返る。
「どうかなさいましたか? エアリ」
いきなり声をかけられたものだから、すぐに言葉を返すことはできなかった。
「……あ。もしかして、エアリもお腹が空いているのですか?」
「え」
「あるいは、この料理が好物なのですか?」
「えぇ!?」
何やら誤解されている気が。
「違うわ。ただ、少し気になって……それで、見ていただけよ」
誤解されたままになっては困るので、私は、取り敢えずそう返しておいた。
するとリゴールは笑顔になる。
「なるほど! そうでしたか!」
理解してくれたようだ。
良かった。
その直後、リゴールはスプーンでスープァンのスープ部分をすくい、私の方へ差し出してきた。
「一口、食べられますか?」
「えっ」
「ご安心下さい。わたくしはまだ口をつけておりません。ですから、不潔ではありませんよ」
差し出されたのが意外だっただけで、べつにそこを気にしていたわけではないのだが。
「じゃあ、一口だけいただこうかしら」
「はい! どうぞ」
唇がリゴールの持つスプーンに触れかけた——刹那。
「お待ち下さい!」
デスタンが発した。
その声に驚き、私は口を開くのを止める。
「……何ですか?」
眉間に戸惑いの色を浮かべつつ尋ねるリゴール。
「彼女は良いかもしれませんが、王子が後で彼女と同じスプーンでお食べになるというところは問題です!」
デスタンは鋭く放つ。
それに対し、リゴールは素早く返す。
「そのような言い方は止めなさい、デスタン。エアリは不潔な生き物ではありませんよ!」
リゴールはスプーンを私へ差し出したまま、不満げに頬を膨らませている。
「彼女が不潔だと言っているわけではありません。ただ、他人とのスプーンの共用は良くないと、そう言っているだけのことです」
デスタンは淡々とそう言い返すが、リゴールは黙らない。
「それは不潔と言っているも同然です!」
「いえ。そのような意味では言っておりません」
「そう聞こえますよ!」
「そう聞こえたとしても、そのような意味で言ってはいません」
こんな時に限って、リゴールもデスタンも譲らない。二人とも、本当はお互いのことを大切に思っているのだろうに。
「しかしデスタン! 本人の前でそのようなことを言うのは、不快感を与えますよ!」
「そうでしょうか。事実を言ったまでですが」
「例え事実であったとしても、言って良いことと悪いことがあるのですよ!」
私のことがきっかけであったはずなのに、私が口を挟む隙は少しもない。
「理解できません」
「なら、理解しなくて良いので、今覚えて下さい!」
「……承知しました」
ついにデスタンが引いた。
すると、リゴールは余裕の笑みを浮かべる。
「そうです。分かれば良いのです」
勝ち誇ったような顔をしながらスプーンを差し出してくるリゴール。だが私は、今さら食べさせてもらう気にもなれず、「ありがとう。でも、やっぱりいいわ」と言っておいた。すると彼は、眉をひそめつつ、残念そうに「そうですか」と言っていた。
「ところでエアリ」
「何?」
「その……エアリのお母様の屋敷へ移動するという件についてなのですが」
そういえば。
そんな話もあった。
「わたくしは、その……賛成です」
眉を寄せ、若干上目遣いで、言いづらそうにしながらもリゴールは放つ。
「本当!?」
彼なら賛成してくれるだろうと予想してはいたけれど、この世に絶対なんてものはないからと、あまり期待しないように心がけていた。しかし、今のリゴールの言葉を聞けば、彼は確かに賛成してくれているのだと、理解することができる。本人が言ったのだから、間違いということはないはず。つまり、もう喜んで良いということだ。
「……はい」
リゴールは頷く。
それを見たデスタンは、困惑しているような顔をしていた。
「ただ、一つだけ聞かせていただいても問題ありませんか?」
「えぇ。良いわよ」
「……そこには、お父様もいらっしゃるのですよね? その……怒られたりはしないでしょうか」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@アンジェリカ書籍化決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる