174 / 207
episode.172 口移し
しおりを挟む
その日の夕方頃、グラネイトは目を覚ました。
バッサから知らせを受け、ウェスタは彼のもとへと急行。私はそれに同行した。
もちろん、でしゃばって同行したわけではない。ウェスタが「一緒に来てもらえると助かる」と言ってきたから、共に行くことにしたのだ。
「ウェスタ!」
目的地に到着するや否や、床に横たわっていたグラネイトは体を起こす。
「グラネイト、調子はどうだ」
ウェスタはやや早足気味で彼の傍まで行き、しゃがみ込む。
「……大丈夫なのか、グラネイト」
グラネイトが絡んでくる時、彼女はいつも面倒臭そうな顔をする。そして、恐ろしいほど心ない接し方をする。それを見ていたら、ウェスタはグラネイトを嫌っているようにも思えるのだが、案外そうではないのかもしれない。
ウェスタはグラネイトにベタベタされるのは嫌い。
でも、グラネイト自体が嫌いなわけではない。
——そういう可能性だって、大いにある。
「ふはは! 何だか元気になっているぞ!」
本当に元気そうだ。先ほどまで意識を失っていたとはとても思えない。
「それは良かった」
「ふはははは! ……って、なにッ!? まさかウェスタ、グラネイト様のことを心配してくれて……!?」
グラネイトは口をぽっかり開けながらウェスタを見つめている。
「いきなり倒れる方が悪い」
「す、すまん! アレは完全に、こっちが悪かった!」
「……運ぶのが重たかった」
「すまん! だが、背が高いのはどうしようもない!」
「……分かっている。責める気はない……気にするな」
そんな風に暫し言葉を交わした後、グラネイトは初めて視線を動かした。ウェスタから私の方へと、彼の視線は移る。
「エアリ・フィールド!?」
言って、グラネイトは大袈裟に驚いたような動作をした。
そんなに大きな衝撃を受けるようなタイミングではないと思うのだが……。
「なぜに!?」
「ここは私の母の家です」
「何だとォッ!?」
驚きのあまり口を閉じられない、というような顔だ。
「ウェスタがここまで運んだのか!?」
「そう」
「ば、馬鹿な……。本気でエアリ・フィールドのところまで行くとは……」
私の存在に気づいてから大きな衝撃を受けてばかりのグラネイトに、ウェスタは冷ややかな視線を向ける。そして、述べる。
「……ここに連れてきてはいけなかったの」
どこか不満げな口調。
せっかくの気遣いを否定されたような気がしてしまったのかもしれない。
「い、いや! そうではないぞ!」
「……それは嘘」
「違う! ウェスタの行動を否定する気はない!」
グラネイトは慌てて言うけれど、ウェスタは不機嫌な顔のまま。
ある意味では、不機嫌な顔をできているだけ幸せと言えるかもしれないけれど。
それから十秒ほど沈黙があり、その後、ウェスタは小瓶を取り出す。そう、医者から貰っていた小瓶だ。
「……まぁいい。薬がある。飲め」
「薬!?」
「医者によれば、毒に効く薬だとか」
ウェスタは緑色の小瓶の蓋を開けると、その蓋に瓶内の液体を注ぎ入れる。そして、液体に満たされた蓋を、グラネイトへ手渡す。
「飲め」
すると、グラネイトは急に真面目な顔になって発する。
「ウェスタ。口移しで飲ませてくれ」
刹那、ウェスタの眉間のしわが倍増した。
手もぷるぷると震えている。
「いいから飲め……!」
震えているのは手だけではない。声もだ。
「口移しで飲ませてはくれないのか?」
グラネイトはさらに言う。
その直後、ウェスタは彼の蓋を持っている方の腕を強く掴んだ。
さらに、掴んだ腕を、無理矢理彼の口もとへと近づけていく。腕を怪我しているグラネイトは「痛!これは痛いぞ!」と嘆いても、お構いなしだ。
力ずくで飲ませられかけたグラネイトは、ついに降参する。
「す、すまん! 飲む! 飲むから!」
「……余計なことは二度と言うな」
「分かった分かった! もちろんそうする! だから離してくれッ!!」
グラネイトがそこまで言って、ウェスタはようやく手を離した。
体と体の距離の近さ。接し方の遠慮のなさ。それらを見ていたら、二人の間にどのような絆があるかはすぐに分かる。
「……飲むのは一日三回と言われている」
「そんなになのか!?」
「最初のうちは、そうらしい」
「このグラネイト様、薬は苦手だが……仕方がない。我慢するぞ! 我慢我慢!」
こうして、エトーリアの屋敷で暮らす人の数がまた増えた。
ただ、動けるウェスタが街でこっそり食べ物を買ってきたりしてくれるので、こちら側の負担は小さい。
初めてウェスタに会った時、デスタンの一番近くにありたいミセは、凄く警戒しているようだった。でも、ウェスタがデスタンの実妹なのだと知ってからは、ミセも警戒心を剥き出しにはしなくなって。ウェスタとミセは、ほんの少しの時間だけで、多少話したりできる関係になっていた。
一方グラネイトはというと、じっとしているのが若干辛いのか、いつもそわそわしていた。ただ、ウェスタが会いに来た時だけは、とても楽しそうにしていたけれど。
二人が屋敷に住み始めて五日ほどが経過した、ある日。
廊下を一人で歩いていると、突然、どこかからガラスが割れるような音が聞こえてきて。
剣を持ったまま、音がした方に向かって駆ける。
そこへ行くと、偶然か必然か、リゴールも様子を見に来ていた。
彼は手に本を持っており、険しい顔つきをしている。
「リゴール! 何かあったの!?」
「エアリですか……!」
目を凝らすと、彼の向こう側に謎の生物がいるのが見えた。
両腕が翼の形状になっているタイプが、三体ほど。
「先ほど、生物が侵入してきたようで!」
「いきなり!?」
よく考えてみればありそうなことではあるのだが、窓から突撃してくる可能性は考えていなかったため、少し衝撃を受けた。
でも、呑気に衝撃を受けている場合ではない。
目の前に敵がいるのだから戦わなくては。
「すぐに片付けます!」
リゴールは勇ましくそんなことを言うが、敵の狙いである彼を一人で戦わせるわけにはいかない。
「待って!」
だからこそ、私は前へ出た。
「ここは私が倒すわ」
「え!」
「ここだけじゃないかもしれないから、リゴールはこのことを皆に知らせておいて」
巨大な敵なら倒すのは難しいかもしれないが、腕が翼になっているこのタイプぐらいなら、私一人でも倒せるだろう。数も、大量にいるというわけではないし。
「し、しかし……!」
「大丈夫よ! 任せて!」
「は……はい。お気をつけて」
戸惑った顔をしながらも、リゴールは駆けていった。
「よし。倒すわよ」
ペンダントの剣ではなく、この前購入した剣を握る。
この剣で戦うのは初めて。だから、ペンダントの剣を握っている時とは少し違った、別の意味での緊張感がある。
でも、きっと大丈夫。
勝てる。
バッサから知らせを受け、ウェスタは彼のもとへと急行。私はそれに同行した。
もちろん、でしゃばって同行したわけではない。ウェスタが「一緒に来てもらえると助かる」と言ってきたから、共に行くことにしたのだ。
「ウェスタ!」
目的地に到着するや否や、床に横たわっていたグラネイトは体を起こす。
「グラネイト、調子はどうだ」
ウェスタはやや早足気味で彼の傍まで行き、しゃがみ込む。
「……大丈夫なのか、グラネイト」
グラネイトが絡んでくる時、彼女はいつも面倒臭そうな顔をする。そして、恐ろしいほど心ない接し方をする。それを見ていたら、ウェスタはグラネイトを嫌っているようにも思えるのだが、案外そうではないのかもしれない。
ウェスタはグラネイトにベタベタされるのは嫌い。
でも、グラネイト自体が嫌いなわけではない。
——そういう可能性だって、大いにある。
「ふはは! 何だか元気になっているぞ!」
本当に元気そうだ。先ほどまで意識を失っていたとはとても思えない。
「それは良かった」
「ふはははは! ……って、なにッ!? まさかウェスタ、グラネイト様のことを心配してくれて……!?」
グラネイトは口をぽっかり開けながらウェスタを見つめている。
「いきなり倒れる方が悪い」
「す、すまん! アレは完全に、こっちが悪かった!」
「……運ぶのが重たかった」
「すまん! だが、背が高いのはどうしようもない!」
「……分かっている。責める気はない……気にするな」
そんな風に暫し言葉を交わした後、グラネイトは初めて視線を動かした。ウェスタから私の方へと、彼の視線は移る。
「エアリ・フィールド!?」
言って、グラネイトは大袈裟に驚いたような動作をした。
そんなに大きな衝撃を受けるようなタイミングではないと思うのだが……。
「なぜに!?」
「ここは私の母の家です」
「何だとォッ!?」
驚きのあまり口を閉じられない、というような顔だ。
「ウェスタがここまで運んだのか!?」
「そう」
「ば、馬鹿な……。本気でエアリ・フィールドのところまで行くとは……」
私の存在に気づいてから大きな衝撃を受けてばかりのグラネイトに、ウェスタは冷ややかな視線を向ける。そして、述べる。
「……ここに連れてきてはいけなかったの」
どこか不満げな口調。
せっかくの気遣いを否定されたような気がしてしまったのかもしれない。
「い、いや! そうではないぞ!」
「……それは嘘」
「違う! ウェスタの行動を否定する気はない!」
グラネイトは慌てて言うけれど、ウェスタは不機嫌な顔のまま。
ある意味では、不機嫌な顔をできているだけ幸せと言えるかもしれないけれど。
それから十秒ほど沈黙があり、その後、ウェスタは小瓶を取り出す。そう、医者から貰っていた小瓶だ。
「……まぁいい。薬がある。飲め」
「薬!?」
「医者によれば、毒に効く薬だとか」
ウェスタは緑色の小瓶の蓋を開けると、その蓋に瓶内の液体を注ぎ入れる。そして、液体に満たされた蓋を、グラネイトへ手渡す。
「飲め」
すると、グラネイトは急に真面目な顔になって発する。
「ウェスタ。口移しで飲ませてくれ」
刹那、ウェスタの眉間のしわが倍増した。
手もぷるぷると震えている。
「いいから飲め……!」
震えているのは手だけではない。声もだ。
「口移しで飲ませてはくれないのか?」
グラネイトはさらに言う。
その直後、ウェスタは彼の蓋を持っている方の腕を強く掴んだ。
さらに、掴んだ腕を、無理矢理彼の口もとへと近づけていく。腕を怪我しているグラネイトは「痛!これは痛いぞ!」と嘆いても、お構いなしだ。
力ずくで飲ませられかけたグラネイトは、ついに降参する。
「す、すまん! 飲む! 飲むから!」
「……余計なことは二度と言うな」
「分かった分かった! もちろんそうする! だから離してくれッ!!」
グラネイトがそこまで言って、ウェスタはようやく手を離した。
体と体の距離の近さ。接し方の遠慮のなさ。それらを見ていたら、二人の間にどのような絆があるかはすぐに分かる。
「……飲むのは一日三回と言われている」
「そんなになのか!?」
「最初のうちは、そうらしい」
「このグラネイト様、薬は苦手だが……仕方がない。我慢するぞ! 我慢我慢!」
こうして、エトーリアの屋敷で暮らす人の数がまた増えた。
ただ、動けるウェスタが街でこっそり食べ物を買ってきたりしてくれるので、こちら側の負担は小さい。
初めてウェスタに会った時、デスタンの一番近くにありたいミセは、凄く警戒しているようだった。でも、ウェスタがデスタンの実妹なのだと知ってからは、ミセも警戒心を剥き出しにはしなくなって。ウェスタとミセは、ほんの少しの時間だけで、多少話したりできる関係になっていた。
一方グラネイトはというと、じっとしているのが若干辛いのか、いつもそわそわしていた。ただ、ウェスタが会いに来た時だけは、とても楽しそうにしていたけれど。
二人が屋敷に住み始めて五日ほどが経過した、ある日。
廊下を一人で歩いていると、突然、どこかからガラスが割れるような音が聞こえてきて。
剣を持ったまま、音がした方に向かって駆ける。
そこへ行くと、偶然か必然か、リゴールも様子を見に来ていた。
彼は手に本を持っており、険しい顔つきをしている。
「リゴール! 何かあったの!?」
「エアリですか……!」
目を凝らすと、彼の向こう側に謎の生物がいるのが見えた。
両腕が翼の形状になっているタイプが、三体ほど。
「先ほど、生物が侵入してきたようで!」
「いきなり!?」
よく考えてみればありそうなことではあるのだが、窓から突撃してくる可能性は考えていなかったため、少し衝撃を受けた。
でも、呑気に衝撃を受けている場合ではない。
目の前に敵がいるのだから戦わなくては。
「すぐに片付けます!」
リゴールは勇ましくそんなことを言うが、敵の狙いである彼を一人で戦わせるわけにはいかない。
「待って!」
だからこそ、私は前へ出た。
「ここは私が倒すわ」
「え!」
「ここだけじゃないかもしれないから、リゴールはこのことを皆に知らせておいて」
巨大な敵なら倒すのは難しいかもしれないが、腕が翼になっているこのタイプぐらいなら、私一人でも倒せるだろう。数も、大量にいるというわけではないし。
「し、しかし……!」
「大丈夫よ! 任せて!」
「は……はい。お気をつけて」
戸惑った顔をしながらも、リゴールは駆けていった。
「よし。倒すわよ」
ペンダントの剣ではなく、この前購入した剣を握る。
この剣で戦うのは初めて。だから、ペンダントの剣を握っている時とは少し違った、別の意味での緊張感がある。
でも、きっと大丈夫。
勝てる。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@アンジェリカ書籍化決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる