189 / 207
episode.187 医者
しおりを挟む
「これは素人では無理です」
バッサを呼んできてウェスタの容態を確認してもらったが、即座にそう言われてしまった。
大概の傷なら、彼女は平気で手当てをしてくれる。これまでだって、ずっとそうだった。怪我したのが誰でも、負ったのがどのような傷でも、速やかに手当てを開始してくれた。
でも、今だけは違う。
今のバッサは引いたような顔をしている。
「お医者様を呼びましょう」
「今?」
「はい。早い方が良いので」
「そうね」
「夜間割増がつくのは痛いですが……仕方ありません」
そこへ、グラネイトが口を挟んでくる。
「金ならいくらでも出すぞ! ウェスタが助かるなら、グラネイト様は何だってする!」
バッサはそれに何か返すことはせず、話を進める。
「では、呼んできます」
そう言って、バッサは部屋から出ていった。
室内に漂うのは、暗く重苦しい空気。部屋にいる誰もが、明るい顔はしていない。
しばらくすると、それまで離れたところから様子を見ていたリゴールが、恐る恐る近づいてきた。
「大丈夫……なのでしょうか? デスタン」
「知りません。私に聞かれても困ります」
「なっ……! 彼女はデスタンの妹さんではないですか。もう少し心配すべきでは?」
「妹は妹ですが、傷を負ったのは彼女の行動が原因。私には関係ありません」
ウェスタが危険な状態であるにもかかわらず落ち着いているデスタンを見て、リゴールは瞳を震わせる。
「そんな冷ややかな……!」
「妹と娘では意味合いがまた違いますから」
「それは……そうかもしれませんが」
横たわったウェスタは、瞼を閉じたまま動かない。でも、少し触れてみたら、体が冷えてきているわけではないと分かった。脈はあるし、体温も保っているから、死にかけてはいない。
そんなウェスタの手を、グラネイトは懸命に握っている。
「すまん、ウェスタ。グラネイト様がもっとしっかりしていれば、こんなことには……」
ウェスタは返事しない。
でも、グラネイトは語りかけ続ける。
グラネイトの表情は、らしくなく暗い。日頃の自信満々さも、すっかり消え去ってしまっている。
「無理させたのはグラネイト様のせいだな……すまん。でも、生きてくれ……」
己を責め、落ち込んでいるグラネイト。今の彼を励ます言葉を私は見つけられなかった。何か言おうとしても、余計に彼を傷つけてしまう気がして、怖くて。それで、結局何も言えないままだ。
医者が来たのは、バッサが部屋を出てから一時間も経たないうちだった。
「やぁ、大丈夫かい? ……て、ぬぅぅ!?」
グラネイトの時に来てくれた六十代くらいの医者と同じ人。でも今日は服装が地味だ。白と黄色のストライプの上下を着ている。飛び起きてそのままやって来たかのような格好である。
「こりゃまた凄い。ここの家は一体何が起きているのかな……」
「いつもすみません」
ウェスタを見て困惑した顔の医者に、私は頭を下げておく。
「いやいや、べつにいいんだけどね……」
医者はウェスタの脇に座り、持ってきていた斜め掛けの鞄を床に置く。そして、遅れて部屋に入ってきたバッサに声をかける。
「ぬるいお湯の入った桶、それから清潔なタオルを数枚、いただけませんかな?」
「はい。持ってきます」
バッサはすぐに指示された物を取りに行く。
「何か手伝えることはありますか?」
鞄から必要な物を取り出す作業をしている医者に、私はさりげなく尋ねてみた。しかし医者は特に何も指示してくれない。微笑んで「大丈夫だよ」と言うだけだ。
結局私は何もできないのか。
残るのは、無力感だけ。
「それにしても……こんな怪我をするなんて、本当に、一体何が?」
止血し、首を始めとする腹部以外の傷の様子を確認しながら、医者は尋ねてきた。
「ちょっと不審者に襲われまして」
これはこれでおかしな答えだが、それ以外の説明は思いつかなくて。ブラックスターがどうとか、なんて本当のことを言うわけにはいかないし。
「不審者。……まったく。気をつけなくては駄目だよ」
「すみません」
「大怪我は治るとは限らないんだからね?」
そりゃそうだ。
こんなことを繰り返していたら、うっかり死にかねない。
そんなことを思っていたら、医者は突然デスタンに視線を移した。
「しかし……君は驚きの回復力だったね」
「私ですか」
「原因不明ながらあの状態から動けるところまで回復したんだから、凄いことだよ」
医者は笑っていたが、デスタンは笑いはしなかった。
その日、夜が明けるまで、医者は屋敷にいてくれていた。
リゴールはデスタンと共に一旦就寝。少しでも睡眠をとることができた方が良いからとの判断だった。
ウェスタの状態はもう落ち着いている。
医者はそう言っていた。
でも私は気になって眠れない。だから、グラネイトと一緒に、ウェスタの傍に待機しておくことにした。バッサが持ってきてくれた差し入れのお菓子を少し食べたりしながら、だ。
ウェスタの体の状態がどうなっているのかは、医学の知識を持たない私にはよく分からない。でも、そんな素人の私でも気づくくらい、グラネイトは疲れ果てた顔をしていた。
だから朝方、私は彼に言ってみることにした。
「グラネイトさん。一旦寝るというのはどう?」
だが彼は頷かなかった。
「ウェスタを放って勝手に寝ることはできない」
彼は彼らしからぬ暗い声色でそんなことを言う。
誰の目にも明らかなほど疲れ果てた顔をしているのに、意地を張って、絶対に眠ろうとしない。
大事な人が自分を庇って傷ついてしまった時、責任を感じるのは分からないでもない。私だって、リゴールが今のウェスタみたいになったら、己の無力を悔やむだろう。
でも、だからといって無理をしすぎるのは良くないと思うのだが。
グラネイトが自身を責めて無理をして、もし体調不良で倒れたりすれば、結果的に悲しむのはウェスタだろう。今度は彼女が責任を感じるということになりかねず、それは、負のループを生み出すことに繋がる可能性がある。
「でも、無理は良くないわ」
「……気遣いは不要」
「グラネイトさん、顔色が悪いわ。疲れているように見えるわ」
「頼む、黙っていてくれ」
勇気を出して、何度か声をかけてみる。
でも彼は一向に休もうとしない。
「貴方が倒れたら、ウェスタさんが悲しむわ。だから、少しは休んだ方が良いと思うの。ウェスタさんのことはお医者さんが見ていてくれるし」
私は幾度も声をかけてみた。
グラネイトが少しでも休む気になれるように。そのきっかけを作るために。
でもそれは無駄な努力。
結局、何の意味もなかった。
バッサを呼んできてウェスタの容態を確認してもらったが、即座にそう言われてしまった。
大概の傷なら、彼女は平気で手当てをしてくれる。これまでだって、ずっとそうだった。怪我したのが誰でも、負ったのがどのような傷でも、速やかに手当てを開始してくれた。
でも、今だけは違う。
今のバッサは引いたような顔をしている。
「お医者様を呼びましょう」
「今?」
「はい。早い方が良いので」
「そうね」
「夜間割増がつくのは痛いですが……仕方ありません」
そこへ、グラネイトが口を挟んでくる。
「金ならいくらでも出すぞ! ウェスタが助かるなら、グラネイト様は何だってする!」
バッサはそれに何か返すことはせず、話を進める。
「では、呼んできます」
そう言って、バッサは部屋から出ていった。
室内に漂うのは、暗く重苦しい空気。部屋にいる誰もが、明るい顔はしていない。
しばらくすると、それまで離れたところから様子を見ていたリゴールが、恐る恐る近づいてきた。
「大丈夫……なのでしょうか? デスタン」
「知りません。私に聞かれても困ります」
「なっ……! 彼女はデスタンの妹さんではないですか。もう少し心配すべきでは?」
「妹は妹ですが、傷を負ったのは彼女の行動が原因。私には関係ありません」
ウェスタが危険な状態であるにもかかわらず落ち着いているデスタンを見て、リゴールは瞳を震わせる。
「そんな冷ややかな……!」
「妹と娘では意味合いがまた違いますから」
「それは……そうかもしれませんが」
横たわったウェスタは、瞼を閉じたまま動かない。でも、少し触れてみたら、体が冷えてきているわけではないと分かった。脈はあるし、体温も保っているから、死にかけてはいない。
そんなウェスタの手を、グラネイトは懸命に握っている。
「すまん、ウェスタ。グラネイト様がもっとしっかりしていれば、こんなことには……」
ウェスタは返事しない。
でも、グラネイトは語りかけ続ける。
グラネイトの表情は、らしくなく暗い。日頃の自信満々さも、すっかり消え去ってしまっている。
「無理させたのはグラネイト様のせいだな……すまん。でも、生きてくれ……」
己を責め、落ち込んでいるグラネイト。今の彼を励ます言葉を私は見つけられなかった。何か言おうとしても、余計に彼を傷つけてしまう気がして、怖くて。それで、結局何も言えないままだ。
医者が来たのは、バッサが部屋を出てから一時間も経たないうちだった。
「やぁ、大丈夫かい? ……て、ぬぅぅ!?」
グラネイトの時に来てくれた六十代くらいの医者と同じ人。でも今日は服装が地味だ。白と黄色のストライプの上下を着ている。飛び起きてそのままやって来たかのような格好である。
「こりゃまた凄い。ここの家は一体何が起きているのかな……」
「いつもすみません」
ウェスタを見て困惑した顔の医者に、私は頭を下げておく。
「いやいや、べつにいいんだけどね……」
医者はウェスタの脇に座り、持ってきていた斜め掛けの鞄を床に置く。そして、遅れて部屋に入ってきたバッサに声をかける。
「ぬるいお湯の入った桶、それから清潔なタオルを数枚、いただけませんかな?」
「はい。持ってきます」
バッサはすぐに指示された物を取りに行く。
「何か手伝えることはありますか?」
鞄から必要な物を取り出す作業をしている医者に、私はさりげなく尋ねてみた。しかし医者は特に何も指示してくれない。微笑んで「大丈夫だよ」と言うだけだ。
結局私は何もできないのか。
残るのは、無力感だけ。
「それにしても……こんな怪我をするなんて、本当に、一体何が?」
止血し、首を始めとする腹部以外の傷の様子を確認しながら、医者は尋ねてきた。
「ちょっと不審者に襲われまして」
これはこれでおかしな答えだが、それ以外の説明は思いつかなくて。ブラックスターがどうとか、なんて本当のことを言うわけにはいかないし。
「不審者。……まったく。気をつけなくては駄目だよ」
「すみません」
「大怪我は治るとは限らないんだからね?」
そりゃそうだ。
こんなことを繰り返していたら、うっかり死にかねない。
そんなことを思っていたら、医者は突然デスタンに視線を移した。
「しかし……君は驚きの回復力だったね」
「私ですか」
「原因不明ながらあの状態から動けるところまで回復したんだから、凄いことだよ」
医者は笑っていたが、デスタンは笑いはしなかった。
その日、夜が明けるまで、医者は屋敷にいてくれていた。
リゴールはデスタンと共に一旦就寝。少しでも睡眠をとることができた方が良いからとの判断だった。
ウェスタの状態はもう落ち着いている。
医者はそう言っていた。
でも私は気になって眠れない。だから、グラネイトと一緒に、ウェスタの傍に待機しておくことにした。バッサが持ってきてくれた差し入れのお菓子を少し食べたりしながら、だ。
ウェスタの体の状態がどうなっているのかは、医学の知識を持たない私にはよく分からない。でも、そんな素人の私でも気づくくらい、グラネイトは疲れ果てた顔をしていた。
だから朝方、私は彼に言ってみることにした。
「グラネイトさん。一旦寝るというのはどう?」
だが彼は頷かなかった。
「ウェスタを放って勝手に寝ることはできない」
彼は彼らしからぬ暗い声色でそんなことを言う。
誰の目にも明らかなほど疲れ果てた顔をしているのに、意地を張って、絶対に眠ろうとしない。
大事な人が自分を庇って傷ついてしまった時、責任を感じるのは分からないでもない。私だって、リゴールが今のウェスタみたいになったら、己の無力を悔やむだろう。
でも、だからといって無理をしすぎるのは良くないと思うのだが。
グラネイトが自身を責めて無理をして、もし体調不良で倒れたりすれば、結果的に悲しむのはウェスタだろう。今度は彼女が責任を感じるということになりかねず、それは、負のループを生み出すことに繋がる可能性がある。
「でも、無理は良くないわ」
「……気遣いは不要」
「グラネイトさん、顔色が悪いわ。疲れているように見えるわ」
「頼む、黙っていてくれ」
勇気を出して、何度か声をかけてみる。
でも彼は一向に休もうとしない。
「貴方が倒れたら、ウェスタさんが悲しむわ。だから、少しは休んだ方が良いと思うの。ウェスタさんのことはお医者さんが見ていてくれるし」
私は幾度も声をかけてみた。
グラネイトが少しでも休む気になれるように。そのきっかけを作るために。
でもそれは無駄な努力。
結局、何の意味もなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@アンジェリカ書籍化決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる