わたしにはあなたが必要だった

四季

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わたしにはあなたが必要だった

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たとえあなたがわたしを要らないと言っても

わたしにはあなたが必要だった

だってあなたが何よりもの宝だったから

あなたを愛していたから

あなたは気づいていなかったのかもしれないけれど

わたしは何より誰よりあなたを愛していた

ただあなたが好きで

どこまでも好きで

たとえ馬鹿だなと言われたとしても傍にいたいくらい

あなたの海に溺れて終わりたいくらい

いつまでもあなたといたかった

たとえあなたがわたしを要らないと言っても

わたしにはあなたが必要だった

けれどもあなたはわたしを必要としていないから告げたの

婚約破棄

それは面と向かって要らないと言われたようなもの

その言葉は深く突き刺さる

愛に

愛抱く胸に

突き刺さって抜けない

矢のように

それでもわたしはあなたを嫌いにはなれず

この胸に宿る愛は消えず

たとえこの胸がこの身が紅く染まるとしても

それでもなお愛している

あなたを欲している

水を飲むように

塩を舐めるように

あなたという存在を欲し続けている

わたしにはあなたが必要だった

願いは叶わなかったけれど

それでも

わたしにはあなたが必要だった
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