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婚約破棄? そうですか。好きなようになさってください、私は私で生きていくだけですから。

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「君ってさぁ、顔面ダサいし性格臭いし全体的にゴミだよなぁ」

 私の婚約者ブルフィングリーブは性格が悪い。
 好きでない私に対して定期的に失礼なことを言ってくる。

 だが、この日の悪口は、いつものそれらとは違っていた。

「ってなわけで、婚約破棄させてもらうな。ばいばぁーい」

 あまりにも突然に訪れた終わり。
 私には何か述べる気力さえなかった。


 ◆


 あれから数年。
 私は生まれ育った国を捨て、隣国の王子の妻となった。

 なぜそんなことになったのか? ……そこには触れると長くなるので語らないでおくが。

 ただ、私と隣国の王子が結婚したということだけは事実だ。

 ちなみにブルフィングリーブはという、あの後新規事業で失敗し、借金が原因となって裏社会に売り飛ばされたとか。

 何をしても借金を返済できず、最終的には己の内臓を売ることとなったそうだ。


◆終わり◆
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