上 下
2 / 2

後編

しおりを挟む
 アバロディフの足の小指の怪我。
 それはいたって普通のささやかな負傷かと思われた。

 だがそうではなかった。

 打った部分は腫れ上がり、通常であればじきに回復していくところだが一向に回復しない。医者に診てもらって対応してもらっても、薬を使っても、一向に回復の傾向が見えてこない。

 そうしているうちにアバロディフは心を病んでしまった。

 段々家から出ないようになり、客人も拒むようになっていって、いつしか彼の存在は周囲の人たちの脳から薄れていく。

 そして一ヶ月が経った頃、自室なくなっているアバロディフが発見された。


◆終わり◆
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。


処理中です...