行くと決めたのだから

四季

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行くと決めたのだから

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頭から足の先まで
赤く染めてでも行くわ
必要なら剣も握り
足下を血で濡らしてでも行くわ

運命がこの身を焼いても
宿命がこの身を貫いても

それでも
行かねばならない

決意する前のまだ幼かった自身を
時折振り返ることはあっても
それはもう遠い過去の存在だから
引き戻されることはないわ

茨がこの身を打っても
鎖がこの身を縛っても

それでも
ただ進むと決めたから

苦しみを越えた先に
幸福があると
悲しみを越えた先に
希望の光が射すと

そんなおとぎ話を信じていた頃もあった

けれども

大人に近づくに連れて学んだ
そんなものは空想でしかないのだと

髪からつま先まで
すべて染めてでも行くわ
必要なら刃も持ち
人生を赤く濡らしてでも行くわ

追憶がこの身を焼いても
因縁がこの身を貫いても

それでも
行くと決めたのだから
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