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16話 三人で
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私が夢見さんとやり取りしているとリリィは不機嫌になる。
彼女が言うには、私が楽しそうにしているのがどうしても気になり不快らしい。
だがリリィの主張には心なしか不自然な点がある。というのも、これまで私が楽しいことをしている時でも、リリィは不機嫌になったりはしていなかったのだ。
いや、もしかしたら、一度二度はあったかもしれないけれど。
ただ、こちらが気づくほどそういう傾向があったかというと、そんなことはなかった。
そこで私は一つの仮説を立てた。夢見さんと通信機器でとはいえ仲良くやり取りしているのを見てリリィが不機嫌になるというのはある意味嫉妬なのではないか、と。
これはさすがに暴論か。
いやいや、そんなこともないはず。
絶対にない話とは言えない。彼女だって嫉妬くらいするだろう。とすれば、こういう可能性もまったくないことはないはずである。
しかし本人に直接尋ねることはできない。否、尋ねることだけならできる。が、そんなことをしてもリリィはごまかすだろうから、真実を手に入れることはできない。
そんな時、私は夢見さんにカラオケへ行かないかと誘われた。
この際思いきって試してみよう。何かしら得られるものはあるはずだ。そんな風に考え、私は「リリィも連れて行っていいか?」と質問してみた。すると夢見さんは「いいよ」と返してくれて。カラオケへは三人で行くことに決まった。
最初その話を聞いた時、リリィは嫌がっていた。
知らない人に会いたくない、と。
だが説得を重ねていくうちに「そこまで言うなら行ってもいい」と言ってくれるようになった。そして、無事、リリィを連れて行けることとなった。
休日の昼下がり。
駅前で待ち合わせする。
「まだ来てないみたいだねー」
約束の場所にたどり着いた時、夢見さんの姿はまだなかった。
だがそれも当然といえば当然だ。なぜなら、私たちは少し早めに来てしまったから。約束していた時間までは、まだ、十分以上ある。
「……おっそ」
リリィは不満げにぽつりと呟いた。
「そんなこと言わないの!」
「でも嘘じゃないし」
「もし本人が聞いてたらどうするの? 傷つくでしょ?」
「……はいはい」
リリィは今日もお気に入りの紺色ワンピースを着ている。エメラルドグリーンの髪色もあいまって、まるで幻想世界から出てきた人形であるかのようだ。近くでよく見ると、睫毛も長い。
ちなみに、私は、白いブラウスに黒い長ズボンという平凡の極みのような服装である。
この黒の長ズボン、実は、ただの布ズボンではない。上質なオイルで加工されていて肌触りが良い仕上がりになっている、履きやすいズボンである。ただし、見た目は平凡そのものなのだが。
「浅間さーん!」
待つこと数分。
道の向こうから夢見さんが駆けてきた。
片手を大きく振っている。
「夢見さん!」
「遅くなってごめんね、待った?」
夢見さんの私服を見るのは初めてだ。
桜色のポロシャツに紺のベストを羽織っていて、膝より少し下辺りまでの丈のズボンはベージュ。全体的に淡い色遣い。手のひら二個分くらいのサイズの丸みを帯びた鞄には、緩い雰囲気のキャラクターのキーホルダーがついている。ちなみに、桜のモチーフにしたようなゆるキャラクターである。頭が大きくて可愛い系。
「ううん」
「えーと、そちらが? リリィちゃん……だよね」
夢見さんは遠慮がちにリリィへ視線を向ける。
「よろしくね」
「……ふん、あたしには構わないで」
リリィは夢見さんに対して非常に冷たかった。
「そ、そう……まぁ、その、なんかごめんね……?」
「べつに。あたしは日和についてきただけだから」
彼女が言うには、私が楽しそうにしているのがどうしても気になり不快らしい。
だがリリィの主張には心なしか不自然な点がある。というのも、これまで私が楽しいことをしている時でも、リリィは不機嫌になったりはしていなかったのだ。
いや、もしかしたら、一度二度はあったかもしれないけれど。
ただ、こちらが気づくほどそういう傾向があったかというと、そんなことはなかった。
そこで私は一つの仮説を立てた。夢見さんと通信機器でとはいえ仲良くやり取りしているのを見てリリィが不機嫌になるというのはある意味嫉妬なのではないか、と。
これはさすがに暴論か。
いやいや、そんなこともないはず。
絶対にない話とは言えない。彼女だって嫉妬くらいするだろう。とすれば、こういう可能性もまったくないことはないはずである。
しかし本人に直接尋ねることはできない。否、尋ねることだけならできる。が、そんなことをしてもリリィはごまかすだろうから、真実を手に入れることはできない。
そんな時、私は夢見さんにカラオケへ行かないかと誘われた。
この際思いきって試してみよう。何かしら得られるものはあるはずだ。そんな風に考え、私は「リリィも連れて行っていいか?」と質問してみた。すると夢見さんは「いいよ」と返してくれて。カラオケへは三人で行くことに決まった。
最初その話を聞いた時、リリィは嫌がっていた。
知らない人に会いたくない、と。
だが説得を重ねていくうちに「そこまで言うなら行ってもいい」と言ってくれるようになった。そして、無事、リリィを連れて行けることとなった。
休日の昼下がり。
駅前で待ち合わせする。
「まだ来てないみたいだねー」
約束の場所にたどり着いた時、夢見さんの姿はまだなかった。
だがそれも当然といえば当然だ。なぜなら、私たちは少し早めに来てしまったから。約束していた時間までは、まだ、十分以上ある。
「……おっそ」
リリィは不満げにぽつりと呟いた。
「そんなこと言わないの!」
「でも嘘じゃないし」
「もし本人が聞いてたらどうするの? 傷つくでしょ?」
「……はいはい」
リリィは今日もお気に入りの紺色ワンピースを着ている。エメラルドグリーンの髪色もあいまって、まるで幻想世界から出てきた人形であるかのようだ。近くでよく見ると、睫毛も長い。
ちなみに、私は、白いブラウスに黒い長ズボンという平凡の極みのような服装である。
この黒の長ズボン、実は、ただの布ズボンではない。上質なオイルで加工されていて肌触りが良い仕上がりになっている、履きやすいズボンである。ただし、見た目は平凡そのものなのだが。
「浅間さーん!」
待つこと数分。
道の向こうから夢見さんが駆けてきた。
片手を大きく振っている。
「夢見さん!」
「遅くなってごめんね、待った?」
夢見さんの私服を見るのは初めてだ。
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「ううん」
「えーと、そちらが? リリィちゃん……だよね」
夢見さんは遠慮がちにリリィへ視線を向ける。
「よろしくね」
「……ふん、あたしには構わないで」
リリィは夢見さんに対して非常に冷たかった。
「そ、そう……まぁ、その、なんかごめんね……?」
「べつに。あたしは日和についてきただけだから」
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