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56話 確かに不自然な点はあった
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確かに色々不自然だった。
最初に会った時は攻撃してくるくらいの関係でしかなかったのに、何度も私の目の前に現れては掴み所のない交流を重ねようとしてくる。さらに住むところまで近場にして。さらに母親にも気に入られるよう努力して。しまいには旅行まで。
明らかにおかしな話だ。
たとえこちらの世界に私たちしか知り合いがいないとしても、それでも、不自然であることに変わりはない。
「一目惚れしたんですって、アナタに」
女性はそんなことを言いくすくすと笑う。
「あーっ! 言うなってーっ!」
ローザは慌てたように大声を出していた。
単に女性が動揺させるためにおかしなことを言っている、という可能性も、まったくないわけではなかった。が、今のローザの様子を見ていると、恐らく事実なのだろう。だって、事実でないなら慌てる必要なんてないはずだ。
「うるさいわ、黙ってなさいよ。それに嘘じゃないでしょ」
「勝手に言いふらすなーっ!」
「ふふ。アンタの代わりに伝えてあげたのよ、感謝なさい」
「そーうーいーうーもーんーだーいーじゃーなーいー!」
話が妙な流れになってきたからか、リリィはきょとんとした顔をしている。
敵と向き合うような顔つきではなくなっている。
「そうなんですか?」
「うっ……」
寝そべった体勢のまま、ローザは気まずそうな表情を浮かべる。
やはりそうなのか。事実なのか。でなければ、こんな気まずそうな顔つきなんてしないはず。嘘なら嘘とはっきり言えば良いだけなのだから。ということは、多分、女性が言っていることも完全に嘘ではないのだろう。
ここまで来たら、もう、はっきりさせておきたい。
中途半端なところで話が終わると余計にややこしい。
「はいかいいえで答えてください。……あの女性が言っていることは事実ですか?」
私はローザにそう尋ねた。
彼はすぐには答えない。が、少ししてから、諦めたように目を細めて「はい」と控えめに口を動かした。
「はぁ!? 何それ意味不明!!」
ローザの答えに対して素早く反応したのはリリィだった。
彼女は目を豪快に見開いている。
「日和のこと好きってこと!?」
リリィがここまで派手に驚くとは。
正直そのことが一番驚きだ。
女性は腕組みをしたままニヤニヤ笑っている。何だかこの現状を楽しんでいるかのよう。彼女は一体何をしにやって来たのだろう、私にはそれすら読み取れない。
まさか好意を暴露するために来たのか?
「関係ないのは話に入ってくるなって」
「はぁ!?」
「……しかし熱いな、アスファルト」
それを聞いてハッとし、私は女性に向けて言葉を放つ。
「取り敢えずローザさんを自由にしてあげてください。さすがに気の毒です」
「あらあら、親切なのね」
「熱中症になったら大変です」
数秒視線を合わせ。
「んー、ま、いいわ。特別に自由にしてあげる」
女性はローザに刺さっている柱状のものを消してくれた。
「ありがとうございます、助かります」
「ふん。面白くないわね」
「え……」
「両想いだったら何も面白くないわ」
「えええ……両想いじゃないですって……」
直後、女性はその場から消え去った。
最初に会った時は攻撃してくるくらいの関係でしかなかったのに、何度も私の目の前に現れては掴み所のない交流を重ねようとしてくる。さらに住むところまで近場にして。さらに母親にも気に入られるよう努力して。しまいには旅行まで。
明らかにおかしな話だ。
たとえこちらの世界に私たちしか知り合いがいないとしても、それでも、不自然であることに変わりはない。
「一目惚れしたんですって、アナタに」
女性はそんなことを言いくすくすと笑う。
「あーっ! 言うなってーっ!」
ローザは慌てたように大声を出していた。
単に女性が動揺させるためにおかしなことを言っている、という可能性も、まったくないわけではなかった。が、今のローザの様子を見ていると、恐らく事実なのだろう。だって、事実でないなら慌てる必要なんてないはずだ。
「うるさいわ、黙ってなさいよ。それに嘘じゃないでしょ」
「勝手に言いふらすなーっ!」
「ふふ。アンタの代わりに伝えてあげたのよ、感謝なさい」
「そーうーいーうーもーんーだーいーじゃーなーいー!」
話が妙な流れになってきたからか、リリィはきょとんとした顔をしている。
敵と向き合うような顔つきではなくなっている。
「そうなんですか?」
「うっ……」
寝そべった体勢のまま、ローザは気まずそうな表情を浮かべる。
やはりそうなのか。事実なのか。でなければ、こんな気まずそうな顔つきなんてしないはず。嘘なら嘘とはっきり言えば良いだけなのだから。ということは、多分、女性が言っていることも完全に嘘ではないのだろう。
ここまで来たら、もう、はっきりさせておきたい。
中途半端なところで話が終わると余計にややこしい。
「はいかいいえで答えてください。……あの女性が言っていることは事実ですか?」
私はローザにそう尋ねた。
彼はすぐには答えない。が、少ししてから、諦めたように目を細めて「はい」と控えめに口を動かした。
「はぁ!? 何それ意味不明!!」
ローザの答えに対して素早く反応したのはリリィだった。
彼女は目を豪快に見開いている。
「日和のこと好きってこと!?」
リリィがここまで派手に驚くとは。
正直そのことが一番驚きだ。
女性は腕組みをしたままニヤニヤ笑っている。何だかこの現状を楽しんでいるかのよう。彼女は一体何をしにやって来たのだろう、私にはそれすら読み取れない。
まさか好意を暴露するために来たのか?
「関係ないのは話に入ってくるなって」
「はぁ!?」
「……しかし熱いな、アスファルト」
それを聞いてハッとし、私は女性に向けて言葉を放つ。
「取り敢えずローザさんを自由にしてあげてください。さすがに気の毒です」
「あらあら、親切なのね」
「熱中症になったら大変です」
数秒視線を合わせ。
「んー、ま、いいわ。特別に自由にしてあげる」
女性はローザに刺さっている柱状のものを消してくれた。
「ありがとうございます、助かります」
「ふん。面白くないわね」
「え……」
「両想いだったら何も面白くないわ」
「えええ……両想いじゃないですって……」
直後、女性はその場から消え去った。
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