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1話
しおりを挟む「お前、もう要らん」
三つ年上の婚約者アールガはある日突然そんなことを言ってきた。
それは、ある春のことだった。
そう、新たな生命が芽吹き穏やかな風が吹き抜けてゆく、そんな時期。
「婚約は破棄する」
「え……」
アールガとの関係はそれほど悪いものではないと思っていた。でもどうやらそれは私が勝手にそう思っていただけのようで。彼はこの関係を良いものとは理解していなかったようである。
「だってお前、俺といる時いっつも楽しそうじゃないだろ」
「そんなことはありません!」
「そうか? だとしても、だ。俺は『要らない』と言われているようで気分が悪いんだよ、いっつもいっつも」
それは被害妄想では……。
「そうですか……」
「よって、お前との縁は切る」
「本気なのですか!?」
「当然、本気だ。俺はもっと俺を必要としてくれる場所で生きていきたい」
アールガの心は既に強く決まっているようだった。
「そう……分かりました」
「良かった。では去ってくれるな?」
「残念に思いますけど……はい、貴方がそれを望むのならそうします」
こうして私たち二人の関係は終わりを迎えることとなった。
幸い、慰謝料うんぬんの話だけは発生しなかった――それはまだ救いだったと言えるのではないだろうか。
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