異世界恋愛作品集 ~さくっと読める!? 大変なことやややこしいことがあっても乗り越えて幸せを掴みます~

四季

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ちょっぴりひとやすみ? 詩のコーナー

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『わたしはあなたを愛していました けれどもあなたは……』

わたしはあなたを愛していました

けれどもあなたは……

わたしを愛してなどいなかったのでしょう
他の女性を見ていたのでしょう

結局のところそうなのでしょう?

何を言っても
言い訳をしても
無駄なのよ
だってもうわたしはすべてを知っている

可愛いあの娘にあなたは夢中

分かるわ
可憐な乙女だもの
きっと惚れる
きっと好きになるって
理解できないわけではなくて
けれどもそれなら
はっきりとそう言って
先にわたしを切り捨ててほしかったの

後から言うなんて

問題になってから婚約破棄宣言なんて……

言い訳にしか聞こえないわ
罪深い人ね

わたしはあなたを愛していました

けれどもあなたは……

わたしを愛してなどいなかったのでしょう
他の女性を見ていたのでしょう

結局のところそうなのでしょう?

せめてもっと
早く言ってくれていれば
それもまたあなたの選択であると
思えたかもしれなかったのに



『人の心を傷つけておいて』

人の心を傷つけておいて
平然と生きているあなた
幸せになれるなんて思わないで
たとえすぐに罰が下らなくても
たとえ今は普通に生きていても
それを当たり前だと
そういうものなのだとは思わないで
そんな考えは甘すぎるわ
この世界は
それほど
悪人が得するようにはできてはいない
この世界は
そこまで
理不尽にはできていない
たとえ今は笑っていたとしても
それはもう終わるの
たとえ今は気ままに生きていても
それももうじき終わり
あなたは悲劇に見舞われ
身も心も
破壊されてしまうでしょう
分かるかしら?
だってあなたはそれだけのことをしてきたの
だから罰が下るわ
あなたには永遠の幸福など在りはしない

分かるでしょう?
普通に幸せになんてなれないということくらい

人の心を傷つけておいて



『指を絡めて 告げるさよなら』

指を絡めて
告げるさよなら

わたしたちは共にはあれない
お互いを求め
お互いを欲し
これほどまでに深く愛し合っているというのに
運命に裂かれた
時代に裂かれた
わたしたちはもう共には生きられない

わたしがあなたを想うのと同じくらい
あなたもまたわたしを想っている
二人の熱量は互角で
競い合った日もあったほど
わたしたちは確かに
同じ未来を見ていた
共に歩めることを
どんな二人よりも想い願っていたのに

すべては家のせい
そして時代のせいね

わたしたちは
愛し合っていてもなお
これからは
離ればなれになってしまう

でも それでも……

指を絡めて
告げるさよなら

忘れないわ あなたのこと

忘れないわ この愛を

たとえ二度と会えなくても
きっと心までは変わらない

強く生きてゆくから
心配はしないで
前を向いてゆくから
気にしないでいい

指を絡めて
告げるさよなら

今も これからも 永久に……

あなたを愛しています
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