意地悪な近所の娘は婚約者に散々支配されたうえやがて飽きられ捨てられたようで、その後壊れていってしまったようです……。

後編

　その事件の後ドゥレーリアは「今回の件を明るみに出す」と言った。すると婚約者から「そんなことを言うなら即座に婚約破棄する」と言われたそうで。それによってドゥレーリアは事件について言えなくなってしまったそう。

　それからドゥレーリアは奴隷のように扱われるようになっていく。

　婚約者は彼女を愛していない。しかし解放もしない。ただ鎖で繋いで持っている、支配しているだけ。そこに純粋な愛はない。あるのは男の支配欲だけ。

　――そして、それから数ヶ月が経ち、飽きられたドゥレーリアは婚約破棄された。

「婚約破棄されるなんてぇぇぇ……ううっ、い、嫌ぁ……どうして……こんな恥ずかしい、こと……うっ、ううっ、恥をかかさないでぇ……嫌、嫌よ、嫌ああぁぁぁぁぁ……」

　こうしてドゥレーリアは壊れていった。

　その時の彼女には既に私を虐めるほどの元気ささえ残ってはいなかった。

　でもその方が良い。
　あれこれ嫌がらせされなくて済むから。

　その後私は偶然の出会いから大会社を営む男性に見初められて結婚した。

　ドゥレーリアは転落してゆき、私はより良い世界へと歩み出せた――理不尽に耐えながらでもここまで真っ当に生きてきて良かった、今はただそう思う。


◆終わり◆