僕たちは

四季

文字の大きさ
上 下
1 / 1

僕たちは

しおりを挟む

君が笑うと
僕は幸せになる
君が泣いてると
僕も悲しみを感じる

そうだよ 僕たちは通じ合ってる

身体は別々
性別だって年齢だって人格だって
共有しているわけじゃない
確かに分離していて
僕と君は別の人間で

けれども 僕たちは通じ合ってる

まるで共有しているみたいに
情緒のふれは
脳と脳を通じて
まるでリンクしてるかのよう

でも
初めて気づいたんだ
あの時
そう
君が婚約を破棄すると言った時
僕は辛かった
でも君はそれを望んでた
別れを
終焉を
それってつまり
僕たちにはそれぞれ別の感情もあるってことで

その方が正常なんだけど……

子が巣立っていくような
そんな寂しさが
この胸を満たしたよ
乙女みたいと言われるかもしれないけれど
おしまいが寂しくて
おしまいが切なくて
だから多分
上手くは笑えていなかったと思う

君が笑うと
僕は幸せになる
君が泣いてると
僕も悲しみを感じる

そうだよ 僕たちは通じ合ってる

……ううん

君が笑うと
僕は幸せになる
君が泣いてると
僕も悲しみを感じる

僕たちはかつて通じ合ってたんだ
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...