不思議な呪文を唱えたら

四季

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不思議な呪文を唱えたら

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不思議な呪文を唱えたら
ミステリアスな夜が始まる

唇に塗るのは真紅
頬に撫で付けるのは桜
艶やかな幻想に生きる女は
いつもどこか怪しげ

その背中にこびりつくは影

古の魂を携え
今こそ夜の闇へと進み行く

哀の色を手鏡に擦りつけ
爪はただ藍に染め上げて
唄う歌は切なく
月の光のように地上へ降り注ぐ

不思議な呪文を唱えたら
ミステリアスな夜が始まる

森は今宵も暗闇
そこに忍ぶは黒き獣
霧で牙を隠し
紅の唇で天使のふりをする

不思議な呪文を唱えて
真紅の唇で囁いて

愛も 哀も 何もかもすべてを……
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