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後編
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婚約破棄後、私は、国家警備隊に入った。
そこでなら運動能力を活かせるかもしれないと思ったからである。
また、せっかく生まれ持った才能があるのだから使わなくては損だとも考え、私は女性ながらその道を選んだ。
日々の生活はとても激しい。
男性を対象とした内容なのだから当たり前といえば当たり前なのだが。
ただ、その日々を乗り越えると、とても強くなれた気がした。
己の成長を感じられる日々は私にとってとても愛おしいものだった。
そうか、私はこういうことをしたかったんだ――ようやく気づいた、私が歩むべき道がどういうものであったのかに。
婚約して、結婚して、幸せに暮らす。それもまた一つの人生で。特に女性にとっては一般的な人生の形だ。もちろんそれが悪いとは言わない、が、何事にも向き不向きというものはあるもので。私にとってはそれはあまり向いていない道であったよう。
身体を動かす日々。
他人の役に立てる日々。
そういったものこそが驚くくらいの幸せを生んでくれるのだと気づいた。
ああそうだ。そういえば、だが。
アゲインはあの後女関係で揉め事を起こして職場をクビになったらしい。
また、その数日後に彼に対して怨みを持っていた女性に夜道で襲われ拘束されて小屋に監禁されることとなってしまったそうで、以降その女性に復讐という名目で痛めつけられ続けたそうだ。
……ま、自業自得だな。
話を聞いて思ったのはそれだけだった。
すべての引き金を引いたのは外の誰でもない彼。
だからそれによって彼がどんな目に遭おうとも知ったことではない。
◆
あれから十五年、私は女性として初となる国家警備隊の隊長に就任した。
これまでの経験や努力が認められての結果であった。
◆終わり◆
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