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後編
しおりを挟む「マックスマッチョスペシャリティーファイターエターナルポポポノポマックスマッチョアイランドパワー!!」
やがて彼女はそう叫んだ。
「え? え? ……え、いや、なにこれ?」
するとミフィーリアはみるみるうちにマッチョへと姿を変えてゆく。
まさかの展開に混乱するタタ。
「ファイタァーッ、マッチョパァーッンチ!!」
そんなタタのみぞおちに叩き込まれる強烈な一撃。
それはマッチョとなったミフィーリアの拳であった。
「ぐぎゃああああああああ!!」
タタは上向きに飛ばされ、そのまま空へ飛び込むように消えた。
……そう、彼は星になったのだ。
「さようなら、タタさん」
空を見上げて、ミフィーリアは悲しそうに呟いた。
こうしてタタはこの世から去ることとなったのだった。
――そう、ミフィーリアには、生まれつき特殊能力が宿っていた。
それは呪文を唱えることで最強のマッチョとなる能力。ただそれは凶暴性を感じさせるもののため極力使用しないようにして生きてきていた。なるべく周りを不安にさせたくない、それがミフィーリアの考えだったからだ。
だがミフィーリアはタタの裏切りに耐えられなかった。
それで彼女はその能力を使ってしまったのであった。
◆
「ミフィーリア、今日も美しいね」
「ありがとう」
あれから一年半。
病弱であるという特徴さえも受け入れてくれる生涯のパートナーをミフィーリアは手に入れた。
「……どうしたんだい? 何だか切なそうな顔をして」
「少し、思い出していたの」
「思い出して?」
「ええ。過去のこと。でも……貴方には関係のないことだし、それに、話したらきっと迷惑だわ」
ミフィーリアは真実の愛に出会った。
そして、与える愛とは異なる、与えられる愛というものを知った。
「そっか。じゃあこれ以上は聞かないよ」
「ごめんなさいね」
「ううん、気にしないで。じゃ、お茶でも飲もうか」
「そうね」
「淹れてくるよ」
「ありがとう……愛しているわ」
ミフィーリアは今、毎日のように微笑んでいる。
彼女はまさに幸福の中に在るのだ。
◆終わり◆
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