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後編

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「知らないと思っていたのですか? なら間違いです。すべて知っていましたよ」
「そ、そんなもの! 集めるな! しゅ、趣味が悪いっ!」
「では婚約破棄といきましょうか。さようなら」

 その後私たちは婚約を破棄した。

 婚約破棄の理由は、彼が別の女に手を出したこと。

 審査の結果、彼には、慰謝料の支払いが指示された。

 私たちの直接的な縁はそこで切れたのだが。後に聞いた噂によると、彼は婚約破棄後あの女との婚約を目指したらしい。だが、女の親が「一度婚約破棄した男なんて」と言ったことで話が進まなくなり、結局結ばれることはできなかったそうだ。彼は結局二人ともを失うこととなったのである。

 また、失意の中で家の周りを散歩している時に賊に襲われ、負傷。
 身につけていた高級品を奪われたうえ、二度と癒えることのない傷を負うこととなったそうだ。

 ちなみに。

 私はあの後特別高い地位を持つ商人の家の息子と知り合い、段々親しくなり、最終的には結ばれた。


◆終わり◆
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