上 下
3 / 3

3話

しおりを挟む

 聞いた話によれば、リアナが嘘の学歴を伝えていたそうで、そのことがばれたために「嘘つきはすべてにおいて信頼できないから」ということで婚約を破棄されたのだそうだ。

「どうしてえええええ! どうしてよおおおおお! こんなに可愛いわたくしを捨てるなんてぇぇぇぇぇ許せない許せない許せないわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 リアナはショックで正気を失っていた。

 その後入院した。

 以降、私はリアナと会うことはもうなかったが、彼女はいつも「姉にはめられた」とか「姉のせいよ、あんな貧乏神が家にいるから」とか私に責任を押し付けるようなことを言っていたそうだ。

 でももはや誰も真面目には聞かない。

 言っているだけ。
 誰もがそう思っている。

 だから私への影響は一切なかった。

「そっかぁ、妹さんのこと大変だったね」
「ええ……」
「でも、一緒に住まなくて良くなったのなら、まだ良かったかな?」
「そうよ。本当に助かったわ」

 そして私はリリマンガスと結ばれた。

 彼の両親と同居しているが、彼らからも大切にしてもらえて、今はとても幸せに暮らせている。

「同居、許してくれてありがとう」
「いえいえいいのよ。それより私の方こそいつもお世話になっていて……ご両親にも感謝しているわ」
「これからもよろしくね!」
「ええ! もちろん! こちらこそ!」


◆終わり◆
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...