不幸だった私が死を選んだ直後、隕石の欠片が落下してあの国は滅んだようです。

四季

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後編

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 ――もう終わりにしよう。

 私はその日死を選んだ。

 自ら死ぬなど最低な行為。人はそう言うかもしれない。でもそれでも私はこの世から去りたかったのだ。それが我が望みのすべてだったのだ。だから命を捨てた。きっと分からないだろう、その時の私の気持ちは他者には。

 だが意外なこともあって。

 私が死を選んだ翌日の早朝、国に隕石の欠片が落ちたそうだ。
 それによって国内は壊滅状態に。
 隕石落下の衝撃、そしてそれによる環境変化などによって、人口の八割以上が死亡したそうだ。

 そしてその中には私の周囲にいた人たちも含まれていた。

 両親、近所の人、同年代の人たち、そして婚約者も――皆その事件によって苦しみながら亡くなっていったようだ。

 でも同情はしない。

 むしろざまぁと思うくらいだ。

 ……私を傷つけた報いを受ければいい。


 ◆


 あの人生は最悪なものだったけれど、神が認めてくれたことで比較的早く生まれ変わることを許された。

 そして私はとある温暖な国の王家に長女として生まれた。

 皆から愛され、祝福され。

 前回とは大違いの幸福に満ちた人生であった。

「誕生おめでとうございますー!」
「愛していまーす!」
「これからも永くお幸せにー!」

 そして、良き家柄の青年と結婚し、夫からの愛も得られた。


◆終わり◆
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