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28話「愛の行く先」
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「ぐ、な、なにいいいぃぃぃぃぃぃ!!」
フィレアンの身体は崩壊し始めた。
「ぐぬぬ……な、なんという……お主、その魔法、は……な、ぜ……」
一度崩壊を始めると、もう引き返すことはできない。
その身は滅びへの下り坂を転がり落ちていく。
もちろんその先に幸せな未来はない。
あるのは消滅というもっとも残酷な闇だけ。
「お……お、おのれ……なぜ、我がこん、な……愚かな王女、などに……はい、ぼ……く、せね、ば……なら、ぬ……」
指先だけになってしまったフィレアンだが怒りの声をこぼしている。
「お、おの、れ……おの、れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……ゆる、さ、ぬ……ぞぉぉぉぉぉぉぉ……こむす、め、ごと、き……が……おのれ、おの、れ、ぇぇぇぇぇぇぇ……絶対、に、ゆる、さ……ぬ、ぞ……」
ただその声も徐々にかすれてきている。
もう大声を出す元気はないようだ。
周囲にいてくれている私の仲間たちは、消えゆくフィレアンを見つめながら「や、やった……?」「すごい……」「王女さま強すぎ」などと口々に呟いていた。
「ゆる、さ……ぬ、ぅぅ、ぅぅぅぅぅぅぅぅ……絶対、に……ぃぃ、ぃぃぃ……許し、は……せ、ぬ……ぞ、ぉぉ、ぉぉぉぉぉ……我は、偉大、なのだ……小娘なんぞに……負け、は、せぬ……ぅぅぅぅ、の、だ……ぁぁ、ぁぁぁぁぁ」
――そうしてフィレアンは完全に消滅した。
「か、勝った!」
「すごい!」
「やりました! やりましたね! これはすごいです! すごいですよ!」
仲間たちは歓喜の声をあげる。
「来た来た来た来たキタキタキタキタキタぞぉーっ!!」
「やったぁ!」
「王女さまサイキョーすぎるぅー!」
「よっしゃああああああ!!」
「これはすごい! すごいって! ひゃっほぉーっい! キタァ! 嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しいよぉっ……ひゃふほぉーっ、い! よっしゃよっしゃしゃよっしゃしゃよっしゃあよっしゃあああああああ!」
悪の女王フィレアンは滅んだ。
戦いは終わった。
◆
平和になった後、私は精霊族の頂に立った。
かつて私は王女だった。しかし王族がいなくなってしまった。なので速やかに誰かが即位しなくてはならないこととなっていて。結果、予定通り、私が即位することとなったのだ。王女から女王へ。一気に飛躍した。
「女王さまーっ」
「偉大なるお方!」
「世界を護ってくださってありがとうございますー!」
「最高の女王様ですぅ!」
「美しすぎるですよー! 最高なんですよー! もはや女神なのですよー!」
皆、私の即位を祝ってくれた。
「偉大すぎて胃が痛い」
「コラ!」
「煌めきすぎて神すぎる」
「言語変!」
中には少々癖のある人もいるけれど。
それもまた多様性の一部だろう。
個性があることは悪いことではない。
称賛の嵐の中で、民への愛を深めてゆく。
戦いに満ちた生涯だった。
傷つくこともあった。
けれども辛いことばかりではなかった。
振り返ってみれば、楽しかった時や嬉しかったことは確かにあったし、寄り添ってくれたり支えてくれたりといった人も大勢いた。
愛を受け取り、愛を差し出す。
私はこれから先ずっとそうやって生きていく――そのつもりだ。
女王として、この国のために生きると決めた。
それはある意味この国と結婚したということと同義。
皆に愛を貰い。
皆へ愛を捧ぐ。
それが私の使命なのだと信じて。
◆終わり◆
フィレアンの身体は崩壊し始めた。
「ぐぬぬ……な、なんという……お主、その魔法、は……な、ぜ……」
一度崩壊を始めると、もう引き返すことはできない。
その身は滅びへの下り坂を転がり落ちていく。
もちろんその先に幸せな未来はない。
あるのは消滅というもっとも残酷な闇だけ。
「お……お、おのれ……なぜ、我がこん、な……愚かな王女、などに……はい、ぼ……く、せね、ば……なら、ぬ……」
指先だけになってしまったフィレアンだが怒りの声をこぼしている。
「お、おの、れ……おの、れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……ゆる、さ、ぬ……ぞぉぉぉぉぉぉぉ……こむす、め、ごと、き……が……おのれ、おの、れ、ぇぇぇぇぇぇぇ……絶対、に、ゆる、さ……ぬ、ぞ……」
ただその声も徐々にかすれてきている。
もう大声を出す元気はないようだ。
周囲にいてくれている私の仲間たちは、消えゆくフィレアンを見つめながら「や、やった……?」「すごい……」「王女さま強すぎ」などと口々に呟いていた。
「ゆる、さ……ぬ、ぅぅ、ぅぅぅぅぅぅぅぅ……絶対、に……ぃぃ、ぃぃぃ……許し、は……せ、ぬ……ぞ、ぉぉ、ぉぉぉぉぉ……我は、偉大、なのだ……小娘なんぞに……負け、は、せぬ……ぅぅぅぅ、の、だ……ぁぁ、ぁぁぁぁぁ」
――そうしてフィレアンは完全に消滅した。
「か、勝った!」
「すごい!」
「やりました! やりましたね! これはすごいです! すごいですよ!」
仲間たちは歓喜の声をあげる。
「来た来た来た来たキタキタキタキタキタぞぉーっ!!」
「やったぁ!」
「王女さまサイキョーすぎるぅー!」
「よっしゃああああああ!!」
「これはすごい! すごいって! ひゃっほぉーっい! キタァ! 嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しいよぉっ……ひゃふほぉーっ、い! よっしゃよっしゃしゃよっしゃしゃよっしゃあよっしゃあああああああ!」
悪の女王フィレアンは滅んだ。
戦いは終わった。
◆
平和になった後、私は精霊族の頂に立った。
かつて私は王女だった。しかし王族がいなくなってしまった。なので速やかに誰かが即位しなくてはならないこととなっていて。結果、予定通り、私が即位することとなったのだ。王女から女王へ。一気に飛躍した。
「女王さまーっ」
「偉大なるお方!」
「世界を護ってくださってありがとうございますー!」
「最高の女王様ですぅ!」
「美しすぎるですよー! 最高なんですよー! もはや女神なのですよー!」
皆、私の即位を祝ってくれた。
「偉大すぎて胃が痛い」
「コラ!」
「煌めきすぎて神すぎる」
「言語変!」
中には少々癖のある人もいるけれど。
それもまた多様性の一部だろう。
個性があることは悪いことではない。
称賛の嵐の中で、民への愛を深めてゆく。
戦いに満ちた生涯だった。
傷つくこともあった。
けれども辛いことばかりではなかった。
振り返ってみれば、楽しかった時や嬉しかったことは確かにあったし、寄り添ってくれたり支えてくれたりといった人も大勢いた。
愛を受け取り、愛を差し出す。
私はこれから先ずっとそうやって生きていく――そのつもりだ。
女王として、この国のために生きると決めた。
それはある意味この国と結婚したということと同義。
皆に愛を貰い。
皆へ愛を捧ぐ。
それが私の使命なのだと信じて。
◆終わり◆
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