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前編
しおりを挟む好物であるするめいかを食べていたら。
「お前! なんてものを食ってるんだ! あり得ん、あり得ん、女のくせにそんなもんを食いやがって……ああもういい! 婚約は破棄だッ!!」
婚約者の男性ボルトベリッツから怒られたうえ婚約破棄されてしまった。
たった一回だけだ、するめいかを食べていることが彼にばれたのは。
なのに、その一度だけで関係を解消するなんて、なんて短絡的なのだろう。
「どうしてするめいかがそんなに嫌いなのですか」
「親の仇なのだッ!!」
「え……」
「俺の親父はするめいかに殺された!」
「こ、ころ……?」
「ああ。親父はするめいかが喉にひっかかって亡くなってしまった。だからあの日誓ったんだ! 一生するめいかを許さない、とッ!!」
なんてことだ、そんな事件があったなんて。
でも、そういうことなら、まえもって教えてくれていれば良かったのに。そうしたら、私だって、彼の目につくところでするめいかを食べたりはしなかったのに。
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******
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