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婚約者からボロクソに言われた果てに関係解消を告げられました。~しかしそこから想定外の展開に!?~

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「あんたとの婚約は破棄するよ。だって俺にはもうお前が魅力的に見えないから。一緒に生きていくなんて、どうやっても耐えられない」

 婚約者アダマンからボロクソに言われた果てに関係解消を告げられた。

 ――その日の晩。

 私はたんすと壁の間の隙間を掃除していた、のだが、急にそこから謎の虹色をした生物が現れて。

「あのサイテー男に復讐してきてあげるよ!」

 ふわふわしたうさぎみたいなそれはそんな過激なことを言い出した。

 声は明るい感じなのに言葉は恐ろしい。

「え、ま、待って。何? どういうことよ、それ」
「腹立つでしょ? あんな風に酷いことばかり言われてさ。しまいに婚約破棄だよ? サイテーだよね?」
「それはそうだけれど……」
「オッケー! じゃ、ボクがあのサイテー男に罰を与えてくるよ! 待っててね~」

 そう言って、謎生物は消えた。

 私はどうにかなってしまったのだろうか……。
 こんなとんでもない幻を見るなんて……。

 ――その翌日、アダマンが亡くなったという情報が届いた。

「急死したなんて……びっくりね」
「信じられない、まだ若いのに」
「何かあったのかしら……謎でしかないわ……」
「金で揉めたとか?」
「いやいや、それはないでしょ。彼、そんな感じの人じゃないし」
「じゃあますます謎ね……」

 町の婦人たちは噂話で盛り上がっていた。

 なんでも、アダマンは、夜散歩に出掛けたきり家に戻らなくなったのだそうだ。それを不思議に思った親は探しに出る。しかし見つからなくて。仕方ない、と帰ってきたところ、玄関に気を失ったアダマンがぽいと置かれていたそう。で、その場で死亡が確認されたらしい。

 あの謎生物は幻ではなかった……?
 もしかしてあの復讐がどうとかとかいうのは本気だった……?

 だとしたら、世にはまだまだ人類が知らないことがあるのだろう。


◆終わり◆
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