1 / 2
前編
しおりを挟む騎士になることが夢だった。
でも駄目だと言われた。
両親には理解されなかった。
女の子がすることじゃない――そう言って、両親は、私が何度も読んでいた騎士の物語の本さえも奪い取った。
そうしてある程度の年になると、私は、親が連れてきた男性と婚約することに。私の人生は私が選ぶ、そうであったほしかったけれど、それすらも難しく。道は決まっていて。ただ敷かれたその道を行くしかない、そんな状態で。
だが婚約者オレスは私を嫌っているようだった。
「お前といると楽しくねーんだよ」
初めて一緒に過ごした日も、それだけ、一言しか言葉を貰えなかったほど。
それほどに私は嫌われていた。
◆
だが、少し経ったある日、もってこいな機会がやって来た。
「お前との婚約、破棄するわ」
そう、彼が、自ら関係を終わらせると言ってきたのだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる