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4話
しおりを挟むその後も私はたくさんの戦場を乗り越えた。
女も男も敵はたくさんいた。
異形のような者たちと戦って。
そしてやがて巡り会う――元婚約者の彼に。
「彼女を殺したのはお前らしいな」
「ええ、けど仕方のないことよ。あちらから攻撃してきたんだもの。戦わないことはできなかった……」
「絶対に許さん」
「私だって、あなたたちのことは許していないわ」
「彼女がされたように、お前をずたずたにしてやる。今度はお前が痛い目に遭う番だ」
彼もまた、敵として私の前に現れた。
でも良かった。
その方が躊躇せず傷つけることができる。
どうやら神様は私を見離してはいなかったようだ。
直接復讐するチャンスをもらえるだなんて、ラッキー。
「覚悟しろよ悪女!!」
「こっちの台詞!!」
――結果、私は彼を生け捕りすることに成功した。
武装解除したので彼はもう何もできない。
「な、なぁ……やめてくれよ、何するつもりなんだよそんな……そんな、針だらけの剣とか取り出して……」
彼は私が手にしている武器を見てかなりびくびくしていた。
「復讐よ」
「や……やめて、くれよ……婚約してた仲、だろ……?」
「私を傷つけたことを後悔させるわ」
「ど、どうして……やめないんだ……。あ、ああ、あ、悪魔ッ!!」
彼は鼻水を垂らしながら叫ぶ。
「そうね、悪魔かもしれないわ」
今はもう何と言われてもどうでもいい。
「でもいいじゃない。貴方が作り出した悪魔なのだから」
針のついた剣で彼の身を叩く。
「ぎゃ! う、ああ! ぎゃ! ぐ、べ、ぶ、ぼ、ぢ……うべぼばぁ! ぁっ、ぎゃあああ! きぃ、くぅ、ぎゃ! ……っ、ふ、ぅ……ぎゃぎゃぎゃぎゃ! い、ったたたたた! ああ! あああ! ぐ、ぎゅ、がああああッ!」
こうして元婚約者の彼への復讐も終わった。
恨んできた人たちは皆滅んだ。
もう二度と会うことはないだろう。
そう思うと心が軽くなった。
――よし、これからも頑張ろう。
その時の私はやる気に満ちていたのだった。
◆
あれから五年、世界を守る戦いにほぼ一人で勝利を収めた私は、王子から感謝を述べられさらに彼のもとで贅沢な日々を享受しながら生きてゆけることとなった。
今や私はこの世界における英雄である。
皆から愛され、私は生きてゆく。
もう過去を振り返る必要はない。
だってこの世界こそが私が生きるべき世界なのだから。
◆終わり◆
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